(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは、主力プライベートクレジットファンドの解約を2四半期連続で制限した。投資家から約13%の解約請求があったためで、1兆8000億ドル(約288兆円)規模のプライベートクレジット市場の健全性を巡る懸念が依然根強いことを示している。
12日の届け出によると、主力ファンド「HPSコーポレート・レンディング・ファンド(HLEND)」は解約を5%に制限する。今回の解約請求は13.3%と、前四半期の9.3%を上回ったという。
「この解約上限措置は、HLENDが公募クレジット市場を上回るプレミアムリターンを投資家に提供する上で極めて重要だ」と同社は投資家向け書簡で説明した。その上で、「継続的な新規資金流入や分配金の再投資により、ファンドの資金基盤はさらに強化されている。これらの資金流入は、2026年上半期の買い戻しによる資金流出を十分に補う見通しだ」と述べた。
HLENDは前四半期に解約制限を導入し、プライベートクレジット運用会社が流動性管理のため解約上限を適用した初の主要事例となった。今年に入って、プライベートクレジット業者の融資審査基準や、人工知能(AI)の影響を受けやすいソフトウエア企業へのエクスポージャーを巡る懸念が表面化していた。
同社の対応は、投資家の換金需要に応じるため異例の措置を講じてきたブラックストーンなどの競合各社とは対照的だった。しかし今四半期には、ブラックストーンも主力プライベートクレジットファンドで5%の解約上限を適用した。投資家からの解約請求が前期をさらに上回ったことを受けた。
解約請求は業界全体で今後増加すると広く見込まれている。解約を制限された投資家が資金回収を進めるとみられているためだ。また、信用サイクルの悪化を懸念する声も根強い。業界幹部らは、AIによる事業環境の変化が続く中、超低金利時代に積み上がった債務の借り換えや返済期限の到来を背景に、デフォルトが増加する可能性があると警告している。
原題:BlackRock’s HLEND Caps Redemptions After Investors Seek 13% (1)(抜粋)
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