(ブルームバーグ):12日の日本市場では株式が大幅に上昇。日経平均株価は1800円超上げ、終値で1週間ぶりに6万6000円台を回復した。イラン戦争終結への期待が高まり、投資家のリスク選好が強まった。円は対ドルで160円台前半に下落。原油価格の下落を受けて債券は上昇した。
トランプ米大統領は予定していたイランへの攻撃を中止し、合意も間近だと表明した。これに先立ち同国の石油インフラを掌握する可能性に言及しており、大きな方針転換となった。米原油先物は下落し、日本時間12日は1バレル=86ドル台で推移した。
市場ではイラン戦争拡大や原油高への警戒感がくすぶっていただけに、トランプ氏の主張を受けてひとまず安心感が広がった。もっとも、合意を巡ってはイラン側から確認を得られておらず、不透明感も残っている。
岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、米国とイランの交渉がどう転ぶかはまだ分からないため、依然として中東影響を受けにくく成長期待の強い人工知能(AI)関連に買いが集中していると指摘。ただ、「全ての資金がAI関連に戻っているわけではなく、少しずつ出遅れていた景気敏感株も買われてきている」とも話した。
株式
TOPIX構成銘柄の約6割が上昇。米半導体株高の流れを引き継ぎ、東京エレクトロンやアドバンテスト、ディスコなどAI・半導体関連の上げが目立った。キオクシアホールディングスは連日の大幅高で時価総額が44兆円を超え、トヨタ自動車を上回って初めて国内首位となった。
業種別では銀行や機械なども買われた半面、サービスや食料品、鉱業などは下落した。
岡三証の松本氏は、日本株は前日までの調整局面で過熱感が薄れており、「反発しやすいタイミングだった」と話す。
伊藤忠総研の武内浩二マクロ経済センター長は、株式相場は中東情勢の好転に加え、きょう予定されている米スペースX上場に伴う需給面の下押し圧力がなくなってくるため、「センチメントが改善しやすくなっている」と指摘。今週に利益確定売りが膨らんだテック関連は買われやすいと話した。

為替
円は対ドルで160円台前半に下落。米国とイランの和平合意への期待から海外市場で有事のドル買いが巻き戻された後、和平への懐疑的な見方から再びドルを買う動きが強まった。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは「円は構造的な弱さに加え、来週の日本銀行の金融政策決定会合を巡る不透明感もあって買いにくい」と語る。今会合は植田和男総裁が感染症で入院中のため欠席し、内田真一副総裁が会見する。井口氏は「海外投資家からすると、1%という節目への利上げが予想される重要な会合で総裁が不在なのは不安材料であり、円相場にとってもネガティブだ」と言う。

債券
債券は超長期債を中心に上昇。トランプ大統領がイランとの合意が近いと表明したことを受けて、原油価格が下落し米長期金利が低下した流れを引き継いだ。
三井住友DSアセットマネジメントグローバル債券グループの国部真二リードファンドマネジャーは、トランプ氏の発言は二転三転するため今回の発言に飛びつくのはためらうとしつつ、「中東情勢が決着に向かうという大局観は変わらない」と指摘。「再びリスクオフで国債が下落(金利が上昇)する場面では押し目買いを入れたい」と述べた。
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--取材協力:アリス・フレンチ.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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