12日の日本市場では株式が大幅に上昇。日経平均株価の上げ幅は2600円(4%)を超え、取引時間中として1週間ぶりの高値となった。イラン戦争終結への期待が高まり、投資家のリスク選好が強まった。円は対ドルで160円台前半にやや下落。原油価格の下落を受けて債券は上昇している。

トランプ米大統領は予定していたイランへの攻撃を中止し、合意も間近だと表明した。同国の石油インフラを掌握する可能性にも言及していただけに、大きな方針転換となった。米原油先物は下落し、日本時間12日朝は1バレル=86ドル前後で推移している。

東証株価指数(TOPIX)も大幅に上昇。米半導体株高の流れを引き継ぎ、人工知能(AI)・半導体関連が高い。銀行や機械なども買われている。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「米イラン合意までの道筋が示され、出遅れていたAI関連以外の銘柄にも物色が広がるだろう」と指摘。割安な自動車株などの反発が期待されると話した。

市川氏は今後は中東情勢の進展に加え、来週の日米の金融政策決定会合が焦点になると言い、特に米連邦公開市場委員会(FOMC)の発信が想定以上にタカ派だと「株式市場にはサプライズになる」と述べた。

為替

円は対ドルで160円台前半で推移。米国とイランの和平合意への期待から海外市場で有事のドル買いが巻き戻された後、合意への懐疑的な見方から再びドルを買う動きも出ている。

三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は「イランへの攻撃停止と合意間近というトピックですべての市場の値幅が大きくなった」と語る。ただ、「本当に合意が進展するか若干危うさも残る」と指摘。合意に向けて一段の進展があるまで、ドル・円相場は160円を挟んだもみ合いが続くと予想する。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは12日のリポートで「米・イランの合意に向けた機運の高まりを確認することが焦点となるが、来週に日米の金融政策決定を控え、ドル・円は160円前後での推移が基本シナリオ」とした。

債券

債券は上昇。原油価格の下落と米長期金利の低下を受けて買いが優勢になっている。

東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは、海外市場の流れを引き継ぎ日本国債も上昇するとみる。ただ、「市場はトランプ大統領の言うことを100%信じているわけではなく、はしごを外される可能性もあるため、相場は早めにピークを打ち伸び悩む」と予想している。

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