韓国当局は7日、通貨ウォンの下落圧力を抑えるための重点対策を打ち出した。ウォンが2009年以来の安値に下落したことを受けた措置。最近の相場変動を増幅させたとして、投機的な取引などの行為に断固とした対応を取る方針を示した。

財政経済省の声明によると、具潤哲副首相兼財政経済相は7日午後2時(日本時間同)、韓国銀行の申鉉松総裁、金融委員会の李億遠委員長、金融監督院の李粲珍院長と緊急市場点検会議を開いた。

当局者らは為替市場について、「過度な変動や一方向への動きは容認しない」との認識で一致。投機的な取引が群集心理を加速させたとの見方を示した。

地政学的緊張の高まりやエネルギーコスト上昇、ドル高を背景に、アジア各国の政策当局が自国通貨の下支えに向けた取り組みを強化している。インドネシアやフィリピンは、ここ数週間で通貨下落を抑えるため、市場介入を実施した。

ウォンは5日の取引で一時2%下落し、1ドル=1562.2ウォンを付けた。前日に政府がけん制発言を行ったにもかかわらず、09年3月以来の安値となった。今年に入ってからの下落率は7.5%を超えている。

オフショアNDF取引を調べる方針

今回は単に市場の過度な動きを警告するだけではなく、オフショアで取引される通貨デリバティブへの監視強化、市場での不正行為が疑われるケースを対象とした検査、違法の恐れがある為替取引の調査などを盛り込んだ詳細な対応策を公表した。

当局は、オフショアのノンデリバラブル・フォワード(NDF)取引を調べる方針で、市場での一方向のポジション形成が国内の為替取引に影響を与えていると指摘。また、市場の透明性向上を図るとともに、より多くの取引をオンショア市場へ移行させる方策を検討するとした。

韓国銀行と金融監督院は、投機的な活動や疑われる市場操作がウォン安の一因になったかどうかを確認するため検査を実施する。違反が確認された場合には厳格な措置を講じるとしている。

規制当局はまた、輸出入企業が通貨安の進行を見込んで有利な決済を行うために、輸入代金の支払いを違法に前倒ししたり、輸出代金の受け取りを遅らせたりしたかどうかについても調査する。

具氏は、政府が金融市場を24時間体制で監視し、7日に合意した措置を速やかに実施すると表明。また、中東情勢の動向や米インフレ見通し次第では、再び市場の変動が激しくなる可能性があると警告した。

当局者らは、半導体企業や関連業界の業績予想が引き続き上方修正されていることや、経常黒字が拡大している点を挙げ、韓国経済のファンダメンタルズは依然として堅調だとの認識を示した。

今回の措置は、為替市場の安定化を目的とした一連の取り組みに加わるもので、国民年金公団による為替ヘッジ拡大の容認や、ドル流動性を改善するための規制緩和などが含まれている。

原題:South Korea Unveils Measures to Stem Won Slide, Curb Speculation(抜粋)

(第8段落以降を追加し更新します)

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