米国とイランの和平に向けた協議は、戦争開始から100日を迎えてもほとんど進展がみられない。新たな攻撃が相次ぐなか、不安定な停戦は一段と揺らいでいる。

過去1週間は、4月上旬の停戦発効後で最も緊張が高まった局面となった。米国とイランの交渉は、凍結されている数十億ドル規模のイラン資産の扱いを巡って難航している。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルの戦闘も、和平協議の足かせとなっている。

米中央軍は7日未明、ホルムズ海峡の海上交通を脅かしたイランの自爆型攻撃ドローン2機を撃墜したと明らかにした。世界のエネルギー輸送の要衝である同海峡も、両国の協議で主要な争点になっている。

米中央軍は、5日にはバーレーンとクウェートを狙って発射された弾道ミサイル6発を迎撃。別の1発は目標に到達しなかったとしている。これに先立ち、ホルムズ海峡に向かっていた無人機4機が撃墜された。

米軍はまた「さらなる攻撃を防ぐため」、ゲシュム島などにあるイラン沿岸監視レーダー施設を攻撃したという。

2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、イランと親イラン勢力は湾岸地域の石油関連施設や工業施設、米軍施設を狙い、ミサイルやドローンによる攻撃を続けている。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーンはいずれも被害を受けた。

米大統領専用機内で記者団の質問に答えるトランプ大統領(5日)

トランプ政権は、米国内で凍結されているイラン資産について、イランによる攻撃で被害を受けたペルシャ湾岸地域の米同盟国の復興支援に充てる案を検討している。

トランプ氏は7日に放映されたNBCのインタビューで、暫定合意の一環としてイラン資産の凍結解除や対イラン制裁の解除は行わない考えを示した。

同氏は「イラン側が適切に行動し、成果を示せば、資産の凍結解除について協議を始める」と語った。このインタビューは5日に収録された。

一方、イランは資産の凍結解除を求めている。この対立は、停戦延長やホルムズ海峡の航行再開、さらにはイランの核開発計画を巡る今後の協議を頓挫させる恐れがある。

イランの隣国パキスタンは、仲介役として重要な役割を担っている。イラン外務省によると、パキスタンのナクビ内相は7日、テヘランでイランのアラグチ外相と会談を行った。パキスタンの首相からイラン最高指導者宛ての書簡を手渡したが、詳細は明らかにされていない。

トランプ氏は過去数カ月、イランは崩壊寸前にあると主張してきた。しかしNBCテレビのインタビューでは、同国がなお一定のミサイルとドローン能力を維持していることを認め、ミサイル戦力の21-22%程度が残っているとの認識を示した。

5日には記者団に対し、「イランとの交渉で大きな成果を上げている」と述べ、「イランが核兵器を保有できる状況にはない」と語った。

イスラエル軍とヒズボラの戦闘は週末も続いた。イスラエル軍は7日、レバノンからイスラエル領内に向けて発射された飛翔体2発を迎撃したと発表した。

イランは、イスラエル軍と親イラン民兵組織ヒズボラが戦闘を続けるレバノンでの停戦を、米国との合意に向けた前提条件としている。最高指導者モジタバ・ハメネイ師の軍事顧問はCNNに対し、合意の実現を巡り「ボールはトランプ氏側にある」と述べた。

原題:US, Iran Appear Far From Peace Deal 100 Days Since War Began (1)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.