トランプ米大統領は、イランがイスラエルによるレバノン攻撃激化を理由に協議停止を示唆した後も、米国とイランが近く暫定和平合意に達するとの見方を崩していない。

トランプ氏は2日、米国との協議が停止されたとするイラン国営メディアの報道を否定。両国は「継続的に」協議を続けており、「きょうも」対話していると述べた。

1日夜にはABCニュースに対し、ホルムズ海峡再開に向けたイランとの覚書について、「おそらく今後1週間の話になるだろう」と述べていた。これとは別に、イランとの協議は「急速なペースで」続いているとも語った。

イランの政府系メヘル通信は2日、交渉チームに近い関係者の話として、イラン当局が米国へ送付する「最終文書」を協議していると報じた。送付時期については明らかにしていない。

レバノンでは、イスラエルがイランの支援を受ける武装組織ヒズボラと交戦している。レバノンへの攻撃を拡大しているイスラエルに反発し、イランは1日、ホルムズ海峡を通る海上交通への規制を強化する可能性や、紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖し、イスラエルを攻撃する可能性にも言及した。原油価格と国債利回りは同日、急上昇した。

イランは、米国との覚書にレバノンでの停戦を盛り込むよう強く求めている。

アクシオスの報道によると、トランプ氏は1日にイスラエルのネタニヤフ首相に電話をかけ、罵声を浴びせたほか、「恩知らずだ」と非難した。トランプ氏は、米国がテロ組織に指定しているヒズボラの関係者とも話をしたと明らかにした。

イスラエル首相府はアクシオスの記事に関するブルームバーグによるコメントの求めに現時点で応じていない。

トランプ氏によると、イスラエルとヒズボラは相互攻撃を停止することで合意し、イスラエル軍もベイルートへの攻撃を控える考えを示した。

イスラエル軍は2日未明、レバノンから飛来した少なくとも3発の飛翔(ひしょう)体を迎撃した。同日午前中には、イスラエル北部で空襲警報が鳴り響いた。

トランプ米大統領はイランとの合意成立の可能性について楽観的な見方を維持している

原油価格は2日は落ち着き、北海ブレント原油先物は1バレル=94.90ドル前後で取引された。多くのトレーダーは米国とイランが最終的に合意に達すると見込んでおり、原油価格は過去10日間では約8%下落している。

米国とイランの合意が成立すれば、ホルムズ海峡を通過する原油タンカーは増加するとみられるが、エネルギー輸送が正常化するまでには数カ月かかる可能性が高い。まずは同海峡に設置された機雷を除去しなければならない。ルビオ米国務長官は2日、イランがホルムズ海峡の広い範囲に機雷を敷設していると述べた。

レバノン問題以外にも重要な争点が残っている。イランがホルムズ海峡で船舶の自由航行を認めるかどうかや、カタールなどに保管されているイラン資産について、どのくらいの規模で凍結を解除するかも主要な協議事項だ。

イランが保有する高濃縮ウランを、暫定合意の一環として米国や中国など第三国へ引き渡すことに同意するかどうかも不透明。米国は、イランが核兵器開発を目指している可能性を懸念している。イランはこの見方を一貫して否定しているものの、ウランを兵器級に近い水準まで濃縮してきた。

こうした広範囲の協議は、覚書が正式にまとまった後に始まるとみられる。主な焦点は、米国が求める「イランがウラン濃縮活動を15年間停止すること」になりそうだ。

原題:US Tries to Stop Israel’s Lebanon Push Derailing Iran Deal (2)(抜粋)

(第8段落にイスラエル首相府のコメントに関する情報を追加して更新します。更新前の記事でトランプ氏の発言の一部表現を訂正済みです)

--取材協力:Carla Canivete.

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