(ブルームバーグ):米調査会社ヤルデニ・リサーチの著名市場ストラテジスト、エド・ヤルデニ氏は、米国株がバブル状態にあるとの懸念を退け、現在の上昇相場は投機ではなく「素晴らしい利益モメンタム」に支えられていると指摘した。
ヤルデニ氏は27日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「大きな違いは利益だ」と述べた。その上で、S&P500種株価指数構成銘柄の予想株価収益率(PER)は20-22倍で、今後数年に米経済が景気後退を回避できれば妥当な水準に見えるとの考えを示した。
同氏は現在の相場を「FOMO(乗り遅れ恐怖症)」と区別するため、「FEMO(素晴らしい利益モメンタム)」という言葉を考案。FOMOは期待や熱狂に基づく一方、現在の相場は企業業績というファンダメンタルズに支えられていると説明した。
自身の名を冠した調査会社の社長兼最高投資ストラテジストを務めるヤルデニ氏は、一部の半導体株が急騰していることから、市場は「メルトアップ(熱狂的な急騰)」の様相を呈しているとの認識を示した。自らが「狂騒の20年代」と呼ぶシナリオの下で、S&P500種は2020年代末までに1万に達すると予想した。これは現行水準から約33%の上昇を意味する。今年に入って意味のある調整局面は3月だけだったとした上で、年末までに再び大幅な下落が起きる可能性は低いとの見方を示した。

ヤルデニ氏のFEMO仮説は、2026年末時点でS&P500種が8250に達するとの同氏予測を支える柱になっている。ブルームバーグが追跡するアナリストの中で最も強気な予想だが、ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストが年末予想を7600から8000へ引き上げており、8000以上を見込む強気派は増えている。
米国のインフレについてヤルデニ氏は、現在の物価上昇は原油高によるものだが、2022年に見られたような賃金と物価のスパイラルは伴っていないと指摘。生産性の伸びが過去3年平均の2%超から3-4%へ加速すると予想しており、それによって賃金圧力が相殺され、単位労働コストのインフレ率はゼロ近辺に抑えられるとの見方を示した。現在の単位労働コスト上昇率は前年比1.2%だという。
原油相場については、ホルムズ海峡封鎖にもかかわらず1バレル=100ドル前後で安定していると分析した。米国とベネズエラの原油輸出増加に加え、中国経済が市場の認識以上に弱い可能性があると述べた。
原題:Yardeni Says US Stocks Driven by Earnings Momentum, Not a Bubble(抜粋)
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