(ブルームバーグ):オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)のマット・コミン最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)の普及により経済全体で雇用が減少するとの見方を示した。その上で、企業には従業員が変化に適応できるよう支援する責任があると述べた。
コミン氏は26日、「多くの大企業と同様にCBAでも、一部の業務はより小規模なチームで行われるようになる」と述べた。一方、「AIを活用することで、従業員はより早い段階から高度な業務に携われるようになり、キャリア形成の一部はスピードが速まるだろう。多くの人に新たな機会をもたらすが、同時に誰にとっても厳しくなるだろう」と指摘した。

オーストラリア最大手銀行のCBAは、5万人余りを雇用。今後数カ月で個人・法人顧客向けにAIを活用した新サービスを順次展開する予定だという。世界の銀行業界では、従業員や顧客向けに新技術をどう統合するかが課題となっている。
コミン氏は、OpenAIのサム・アルトマンCEOをはじめとするテック企業の幹部や政策立案者、顧客が登壇するAIカンファレンスを前に発言した。
雇用削減は避けられない現実だが、多くの従業員はAIを活用した新たな機会を見いだし、今までなかった役割も生まれるだろうとコミン氏は述べた。
「当行のような規模の雇用主には、誤った安心感を与えるのではなく、従業員が適応するための最善の機会を提供する責任がある」と強調。「従業員のスキル向上」や「より強い企業」づくりの機会を逃すことは誤りになると語った。
CBAは、詐欺や不正から顧客を守るためにもAIを活用しているという。
コミン氏は、「エージェント型システムが不正検知ルールの作成やセキュリティーパッチ強化、技術的問題の迅速な解決に役立っている」と説明した。
CBAはオーストラリアの銀行業界内でテクノロジー分野を主導。対話型AI「Claude(クロード)」を開発する米アンソロピックへの投資を進めるほか、「ChatGPT」を手掛けるOpenAIとも提携している。
同社は年間約24億豪ドル(約2740億円)を技術投資に充て、AI導入によって顧客関係の強化とデータ利用の安全性向上を目指している。
原題:Top Australia Banker Flags Job Cuts as More AI Tools Roll Out(抜粋)
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