米ニューヨーク連銀の元総裁、ビル・ダドリー氏は、インフレ率を2%目標へ長年戻せていないことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑制する機関としての信認を失う危険性があると警鐘を鳴らした。

ダドリー氏は26日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「インフレ率は5年以上にわたりFRBの目標を上回っている」と指摘。「インフレ期待が最終的に制御できなくなるリスクがある」と述べた。

同氏の発言は、ウォーシュ新FRB議長が直面する難題を浮き彫りにした。ウォーシュ氏は来月、政策金利を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)の初会合を率いる。4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2023年以来の大幅な伸びを示し、トランプ大統領はパウエル前議長に対し、金融緩和に踏み切らなかったとして批判を繰り返した。

米ニューヨーク連銀の元総裁、ビル・ダドリー氏インタビュー

ダドリー氏はミシガン大学の消費者マインド指数のほか、ウォラーFRB理事が注目する2年先のインフレ見通しが長期インフレ期待の上昇を示したと指摘した。米経済は2022年11月以降、現在と同水準かそれ以上の金利下でも完全雇用に近い状態を維持しており、金融政策が実際に景気抑制的だったのかについて疑問を呈した。

ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるダドリー氏は、景気を刺激も抑制もしない中立金利の水準が、FRBの想定より構造的に高くなっている可能性があると述べた。その背景として、人工知能(AI)主導の投資ブームに加え、米政府債務の増加によって投資に回る貯蓄余力が縮小している点を挙げた。

同氏はまた、ウォーシュ氏のFRB議長就任と、トランプ大統領による利下げ要求によって、FRBの信認を巡る問題は一段と複雑になっていると指摘。「FRBの独立性に疑念が生じていなければ、インフレ期待はより安定していた可能性が高い」と述べた。

さらに「現時点で利下げを実施する根拠は極めて乏しい」と語った。

原題:Dudley Says Fed Credibility at Risk on Years of Missing 2% Goal(抜粋)

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