日本生命保険など大手生保4社が保有する国債などの国内債含み損の合計が3月末時点で14兆円に膨らんだ。国内金利の上昇(債券価格は下落)を受け、含み損は1年前と比べて6割拡大した。

26日までに出そろった日本生命、第一生命保険、住友生命保険、明治安田生命保険の2026年3月期(前期)決算から集計した。1月の衆議院解散を受け、政府による財政拡張策への懸念から金利は急騰した。超長期国債の利回りは今月に過去最高を付けるなど足元でも上昇している。日本銀行による24年3月のマイナス金利解除発表を契機とした金利上昇に伴い、金利の低い時に購入した債券の含み損拡大を招く事態となっている。

日本生命は保有する国債で約700億円の減損損失を計上した。時価が取得価格を50%以上下回るなど回復が見込めないとの減損基準に抵触した。住友生命は国内債券などで約200億円の減損を計上した。

住友生命の高尾延治専務は「足元の金利上昇のスピードは速すぎる」と警戒感を示した。金利水準は投資妙味のある水準に入っているというが、「ボラティリティーが高く、金利上昇の可能性はまだどこまでいくのか見通せない」と述べた。

生保各社は基本的に満期保有を前提として国債などを購入している。ただ、巨額の含み損を抱えた状態で保険契約の解約が増えた場合などには、換金のため売却を迫られ収益に悪影響を及ぼす可能性がある。また、含み損を抱えたままだと運用面で制約を受けるとの懸念もある。関係者によると、金融庁は1月に大手生保を対象に資産運用面に関する聞き取り調査を行っており、金利急騰を受けた影響を注視している。

株価上昇を受けた国内株式の売却益を活用するなどし、低利回り債から高利回り債への入れ替えを実施する動きも進んだ。日本生命は3兆9000億円規模の国内債券の売却を実施した。赤堀直樹副社長は金利状況次第では「さらにスピード感を速めて行う」と述べた。

第一生命では期初想定の2倍を超える約1兆3000億円の円債の入れ替えを行った。この結果、運用利回りが契約者に約束した利回りを上回る「順ざや」改善効果が年300億円程度あるとみる。住友生命は国内債の入れ替えで約3000億円の売却損を計上した。年間で約100億円の収益改善効果を見込む。

明治安田の上田泰史専務は、債券含み損が拡大しているものの有価証券全体の含み損益は約4兆8800億円の含み益が生じているとして「大きな問題はないと考えている」と語った。

一方、株式市場の好調や金利上昇による利息配当金収入の増加を主因に、3社のグループ基礎利益やグループ業務利益が増益だった。一部商品の予定利率の引き上げや資産形成意識の高まりなどを背景に、保険販売も貯蓄性商品を中心に復調傾向にある。唯一減益だった第一生命の親会社である第一ライフグループは、海外保険子会社で保険金支払いが増加したことが響いた。

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