(ブルームバーグ):日本銀行が26日発表した生鮮食品と政府の物価高対策や子育て支援策などの特殊要因を除いた消費者物価は、4月に前年比2.8%上昇と伸び率を高めた。市場で高まる早期利上げ観測を支持する内容と言える。
日銀が目標とする2%を上回るのは19カ月連続。前月は2.5%上昇だった。総務省が22日に公表した4月の生鮮食品を除いた消費者物価(コアCPI)の伸び率は1.4%上昇と2022年3月以来、約4年ぶりの低い伸びとなっていた。2%を下回るのは3カ月連続で、市場予想の1.7%上昇から大きく下振れていた。
コアCPIの伸び縮小には、政府によるガソリン補助金や小学校給食費の負担軽減といった政策対応が大きく影響したが、日銀の指標では給食費の実質無償化など新たな要因も除いている。政策判断で重視する基調的な物価上昇率は、2%に向けて緩やかに上昇しているとする日銀の見解に大きな変化はなさそうだ。
一方、生鮮食品と特殊要因に加え、エネルギーも除いた伸び率は2.2%上昇と前月から0.4ポイント、食料とエネルギー、特殊要因を除いたベースは1.4%上昇と同0.3ポイント、それぞれ縮小した。足元の金利スワップ市場で次回6月の金融政策決定会合での利上げ予想が75%程度に高まる中、日銀の判断が注目される。
高市早苗首相は25日、電気・ガス需要が高まる7-9月に料金の補助も再開する方針を表明した。広範な政策対応でコアCPIなど政府公表の物価指標の実態が分かりづらくなっており、今後も特殊要因を除いた指標に注目が集まる可能性がある。
日銀は4月の決定会合で0.75%程度の政策金利の維持を決めたが、9人の政策委員のうち3人が1.0%程度への利上げが必要として反対した。物価上振れリスクへの警戒感が強まる中、審議委員を中心に利上げに前向きな発信が続いている。
特殊要因を除いた物価指標は、物価高対策や原油高などで短期的に振れやすくなっている消費者物価の基調を補足するため、3月から公表を開始した。日銀は従来から「消費者物価のコア指標」として、価格変動が大きい上下10%の品目を除いた「刈り込み平均値」などを試算値として公表してきた。
4月の刈り込み平均は1.5%上昇。価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある品目の価格変化率を示す「加重中央値」が0.6%上昇、品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率を示す「最頻値」が1.0%上昇となり、いずれも前月から伸びが縮小した。
(チャートと説明を追加して更新しました)
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