(ブルームバーグ):カナダのカーニー首相は25日、アルバータ州の有権者に対し、州の分離独立派が唱える「危険なはったり」に警戒すべきだと訴えた。自身がイングランド銀行(英中央銀行)総裁として英国の欧州連合(EU)離脱国民投票に直面した経験を引き合いに出した。
カーニー首相は分離独立を巡る住民投票について記者団に、支持派はしばしば「失うもののない選択肢」として描き、将来の交渉で地域の立場を強めるため、とりあえず賛成票を投じるよう有権者に促すと指摘。「それは極めて危険なはったりだ」と語った。
首相は「英国で何が起きたかを私は間近で見た。当時は『これに投票すれば穏健な形になる。その後に交渉する』という考え方だった。しかし10年たった今も、人々が投票したつもりではなかった結果を、なお元に戻そうとしている」と述べた。

アルバータ州のスミス首相は先週、エネルギー資源が豊富な同州について、カナダに残留するか、最終的に独立につながり得る法的手続きを開始するかを問う住民投票を10月に実施すると表明した。
投票は独立そのものへの賛否を直接問うものではなく、アルバータ州が分離独立を巡る投票を進めるべきかどうかを問う形式となる。このため、一部では「住民投票実施の是非を問う住民投票」とも呼ばれている。
カーニー首相は2013-20年に英中銀総裁を務め、英国民がEU離脱を決め、その後EU離脱に向けた困難な交渉に乗り出した時期を経験した。
25日の記者会見でカーニー氏は、スミス氏に分離独立に関する投票を思いとどまるよう説得したか問われたが、直接的な回答は避けた。その上で、「彼女はいつも私の助言を聞くわけではない」と語った。
さらに、今回の投票実施は有益ではないとの認識を示し、23年の州選挙時にスミス氏の公約には含まれていなかったと指摘した。
「これはアルバータ州民の民意なのか。前回州選挙で有権者はこれに投票したのか。答えはノーだ」と述べた。
また、連邦政府として現在、提案された設問がカナダの分離独立住民投票関連法に適合しているか検討していると明らかにした。
さらに、自身は州分離に反対する運動を展開する意向であり、州政府との「共通基盤」を模索しながら、社会保障政策や経済開発で協力を進める考えを示した。
「それがアルバータ州民の期待であり、カナダ国民が期待していることだ」と語った。
原題:Carney Warns of ‘Dangerous Bluff’ in Alberta Vote, Citing Brexit(抜粋)
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