英国では、新たな首相が誕生するかどうか決着するまで数週間、あるいは数カ月を要する可能性がある。英議会で政局混迷が続く中、政府の機能は滞り始めている。

苦境に立つスターマー首相は、新たな立法計画やインフレ対策を巡る一連の発表を進めている。ただ、与党労働党で公然と党首交代論が浮上する中、英政府内ではスターマー氏の政策路線が持続可能か疑問視する声が出ている。すでにバーナム・マンチェスター市長ら有力後継候補との政策比較や、政権交代後も政策が維持されるかを見極める動きが広がっている。

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内務省元事務次官のフィリップ・ラトナム氏はロンドンのパネル討論会で、「今の指導者危機が解決するまで、政府で大きな政策はほとんど進まないだろう」と指摘した。

その上で、「閣僚らは各省庁から上がる膨大な政策文書より、自らの立場や将来の役職、党首問題を意識するようになる。この状況は指導者危機が続く限り続くだろう」と語った。

スターマー首相への政治的支持は、今月の地方選で労働党が大敗したのを受け急落した。労働党議員の5分の1超や一部閣僚が辞任を求めている。

首相は残る3年の任期を全うすると表明しているが、ブックメーカーでは年内退陣確率が約70%と見積もられており、議会や官僚機構ではスターマー氏の「次」を見据える動きが強まっている。

ある政府関係者によると、首相官邸は長期戦略よりも、スターマー氏を日々支えることに注力しているという。イランでの戦争への対応も遅れが出ており、保健相だったウェス・ストリーティング氏が辞任準備を進めていたため、危機対応の閣僚級会議が直前で中止されたという。

欧州連合(EU)との関係強化を巡る首脳会談は、スターマー首相の求心力低下への懸念から7月に先送りされたとブルームバーグは22日に報じた。ある労働党議員によれば、英金融街シティーの高所得者らの永住権取得に必要な期間を短縮するビザ制度改革案も、党首問題が決着するまで凍結される可能性が高い。

バーナム氏は22日、スターマー首相に挑戦するために必要な下院議席獲得へ向けた補欠選挙運動を開始した。6月18日の補選に勝利すれば、労働党党首選を直ちに迫る可能性がある。決着まで数週間を要する可能性もあり、首相が闘うという公約を履行する場合は特にそうなる公算が大きい。

こうした情勢の結果として、英国は2022年半ばと同様の長期にわたる不透明局面に入っている。当時は保守党政権下でボリス・ジョンソン氏、リズ・トラス氏、リシ・スナク氏と首相交代が続いた。

別の政府関係者は、閣僚らが食料価格上昇や航空燃料供給問題に十分注意を払っていないことを懸念していると語った。いずれも国民にはまだ十分認識されていない深刻な問題であり、政治混乱が計画立案を妨げているという。

原題:Starmer’s Lame Duck Status Risks Policymaking Paralysis in UK(抜粋)

--取材協力:Ellen Milligan、Alice Gledhill.

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