(ブルームバーグ):25日の日本市場は株式が続伸。ホルムズ海峡再開への楽観的な見方が広がり、原油価格の急落を背景にインフレ懸念が和らいでいる。有事のドル買いの巻き戻しで円は対ドルで158円台後半に反発。債券は上昇している。
複数の米政府高官は24日、米国とイランがホルムズ海峡再開に向けた合意に近づきつつあるとの認識を示した。主要論点の文言に関して双方が協議を続けているため、同日中に署名が行われる状況にはないという。トランプ米大統領は合意を「急ぐ」つもりはないとし、双方が「適切な内容に仕上げる」ために時間をかける必要があるとの認識を示した。
米国でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したこと受けて、国内市場でも半導体や人工知能(AI)関連銘柄が買われやすい。日経平均株価の上げ幅は一時1500円を超えた。一方、米国市場が祝日休場の中、米国とイランの交渉の行方を見極めようとするムードも強い。
東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、米国とイランが何らかの合意ができるのは株式相場にプラスだと指摘。原油安、金利低下で半導体やAIなどハイテク関連銘柄が買われる構図が続き、軟調だった自動車など製造業銘柄にも買い戻しが入るとみる。ただ、米S&P500種株価指数は8週連続で上昇しており、ハイテク株は過熱感が警戒される可能性もあるとしている。
為替
円は対ドルで158円台後半と前週末の159円台前半から反発して推移。米国とイランの合意期待から、有事のドル買いが巻き戻されている。
SBI FXトレードの上田真理人取締役は「和平合意に向けて進展があったのは間違いないため、ドルをどんどん買うわけにはいかなくなった」と語る。ただ、米国は年内利上げの可能性が出てきた一方で、「高市早苗首相が日本銀行の利上げにもろ手を挙げて賛成というわけではなさそうで、6月の利上げはまだ確実とは言えない」と指摘。円を積極的に買う材料もないと言う。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは25日付のリポートで、きょうは米英が休場でイベントも乏しいが、「米・イランの合意機運が一段と高まればドル・円への下押し圧力が強まろう」と指摘した。
債券
債券相場は上昇(利回りは低下)。米国とイランの合意期待や原油価格の下落を背景に買いが先行している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「中東情勢の安定に向けた動きは原油価格の上昇を抑え、国債の買い材料になり得る」と語る。先週末に行われた高市首相と日銀の植田和男総裁との会談も「6月利上げに向けた地ならしと受け止めることができる」と指摘。利上げが実現すれば「買い材料とは言えなくても、インフレを懸念していた相場が落ち着く材料になる」と話す。
財務省はこの日、5年クライメート・トランジション(CT)利付国債入札を行う。鶴田氏は「発行額も少なく、無難に消化されるだろう」と予想している。
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