25日の日本市場は株式が大幅続伸。東証株価指数(TOPIX)は約3カ月ぶりに最高値を更新し、日経平均株価は初めて6万5000円台に乗せた。ホルムズ海峡再開への楽観的な見方が広がり、原油価格の急落を背景にインフレ懸念が和らいだ。有事のドル買いの巻き戻しで円は対ドルで158円台後半に反発。債券は上昇(利回りは低下)した。

TOPIXは2月27日に付けた終値ベースの最高値(3938.68)を上回って引けた。日経平均も最高値を更新し、上げ幅は1800円を超えた。

複数の米政府高官は24日、米国とイランがホルムズ海峡再開に向けた合意に近づきつつあるとの認識を示した。ルビオ米国務長官は25日、合意はなお交渉途中だとした上で、米国は外交が成功するあらゆる機会を与える考えだと述べた。同氏の発言を受け、原油価格はアジア時間の取引で下げ幅を拡大し、北海原油代表油種ブレント先物は一時6.2%安まで下げた。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、米国とイランが何らかの合意ができるのは株式相場にプラスだと話す。原油安、金利低下で半導体や人工知能(AI)などハイテク関連銘柄が買われる構図が続き、軟調だった自動車など製造業銘柄にも買い戻しが入ると指摘。ただ、米S&P500種株価指数は8週連続で上昇しており、ハイテク株は過熱感が警戒される可能性もあると述べた。

株式

株式は3営業日続伸。前週末に米国でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことを受け、アドバンテストや東京エレクトロン、フジクラ、イビデンなど半導体関連銘柄が買われた。

太陽誘電などAIサーバー関連株が急騰し、村田製作所株は11%高で引け、TOPIXの上昇寄与度トップ。また、ソフトバンクグループ株は連日で急騰し、株式分割考慮後の上場来高値を更新した。トヨタ自動車など輸出関連株も高い。

一方、原油価格の下落を受けて鉱業や石油関連株が売られ、金利低下を背景に銀行株も安かった。この日は米国や英国市場が祝日のため、休場となる。

大和証券の津田遼太シニアストラテジストは、原油価格が下落したことで、中東情勢を巡る「不安材料が解消へ向かうとの期待が広がっている」と語る。「目立つのは半導体関連株の上昇だが、トヨタなど自動車株も強い」と指摘。今後イラン情勢が落ち着けば「TOPIXの中でも出遅れている化学株や輸送関連株などに改めて資金が向かう可能性がある」との見方を示した。

為替

円は対ドルで158円台後半と前週末の159円台前半から反発して推移。米国とイランの合意期待から、有事のドル買いが巻き戻された。

ドイツ証券の小川和宏外国為替営業部ディレクターは、市場は「合意交渉の結論を待っている状態だ」と語る。米・イランが合意に至り原油価格が下落し、インフレや供給制約が解消に向かえば、初期反応としては金利低下とドル下落が見込まれると言う。ただ、原油下落は米国経済にとって良い話なので、ドルを売り込む材料にはならない可能性もあるとした。

SBI FXトレードの上田真理人取締役は、米国は年内利上げの可能性が出てきた一方で、「高市早苗首相が日本銀行の利上げにもろ手を挙げて賛成というわけではなさそうで、6月の利上げはまだ確実とは言えない」と指摘。円を積極的に買う材料もないと述べた。

債券

債券相場は上昇(利回りは低下)。米国とイランの合意期待や原油価格の下落を背景に買いが優勢だった。長期債や超長期債の上げが目立ち、新発10年債利回りは7bp低下、同20年債利回りは9bp下げた。

この日行われた5年クライメート・トランジション(CT)利付国債入札は順調に消化された。最高落札利回りが1.941%と市場予想(1.97%)を下回ったほか、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.62倍と前回1月入札(3.49倍)を上回った。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「強い結果だった」と話す。中東情勢改善への期待から市場全体が落ち着きを取り戻したことが追い風になったほか、地銀が日銀の「気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション」に応札するための担保としての需要もあったと言う。

米国とイランの合意期待で債券相場は幅広い年限が買われた。もっとも、田氏は「足の速い資金で動いており、本腰を入れた買いではない。投資家のポジションも軽い」と指摘。中東関連で「ネガティブなヘッドラインが出れば、金利が上昇に転じる可能性もある」と語った。

27日には40年利付国債入札を控える。東京海上アセットマネジメント債券運用部の海老原慎司チーフ債券ストラテジスト兼グローバル金利運用グループリーダーは「今月行われた30年債と20年債の入札はいずれも無難に消化されており、40年債も発行減額や新発債需要により不安は少なく、強い結果になる可能性が意識されている」と話した。

新発国債利回り(午後3時時点)

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