(ブルームバーグ):米連邦準備制度が重視する総合インフレ指標が4%に迫っている。イラン戦争に伴うエネルギー価格高騰で、物価上昇が幅広い分野に及ぶとの警戒感が広がっている。
28日に発表される4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比3.8%上昇となる見通し。予想通りなら、2月時点から1ポイント上昇する計算となり、2カ月間の加速幅としては2021年後半以来の大きさとなる。
エネルギーと食品を除いたPCEコア価格指数も、23年終盤以来の高い伸びに加速した可能性が高い。

イラン戦争による燃料や原材料価格の上昇は世界経済全体に波及している。米国では消費者心理が過去最低水準に落ち込み、各国企業もコスト増への懸念を強めている。インフレ期待も高まり、国債利回りは上昇している。
この週には、インフレ統計に加え、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、セントルイス連銀のムサレム総裁らの発言も予定されている。中東情勢に伴う供給制約が長引く中、長期的なインフレへの警戒感が示されるかが注視される。
ウォラーFRB理事は22日、次回の政策金利変更について、利下げと同程度に利上げもあり得ることを明確にすべきだとの考えを示した。
PCE統計には個人所得と個人支出も含まれ、4-6月(第2四半期)序盤の家計需要を占う材料となる。エコノミストの間では、物価調整後の支出は緩やかな増加にとどまり、名目所得の伸びは鈍化すると見込まれている。
ガソリン価格は22年以来の高水準付近にあり、生活費に対する消費者の不安を一段と強めている。インフレの家計への影響は、消費見通しの下押し要因となる。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は「信頼感がさらに悪化すれば、夏場にかけて消費の勢いが鈍るリスクが高まる」と指摘。「ターゲットなど消費関連企業の決算からは、これまで税還付が消費を支えてきた状況がうかがえる。ホルムズ海峡の封鎖が続けば、ガソリン価格の高止まりが税還付による消費の下支え効果を弱めかねない」と分析した。
28日には、1-3月(第1四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値も公表される。統計には個人消費のデータも含まれる。
祝日を挟む1週間となるが、26日に民間調査機関コンファレンスボードの5月の米消費者信頼感指数、28日に4月の耐久財受注と新築住宅販売、29日には前渡し商品貿易収支も発表される。
アジア太平洋地域では、韓国銀行(中央銀行)など3中銀が政策決定会合を開く。韓国銀行は、申鉉松(シン・ヒョンソン)総裁の就任後初の会合となる。
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は27日に政策金利を2.25%で据え置く見通しだ。1-3月期の短期インフレ期待が2023年以来の高水準に上昇したことから、市場は7月の政策変更を視野に入れている。スリランカ中銀も政策を決定する。
オーストラリアやドイツ、ブラジルなどでインフレ統計が相次ぐほか、南アフリカ準備銀行(中央銀行)による利上げも焦点となる。

原題:More War-Driven Inflation Seen in Fed’s Favored Gauge: Eco Week(抜粋)
--取材協力:Shamim Adam、Mark Evans、Brian Fowler、Monique Vanek、Robert Jameson、Laura Dhillon Kane、Paul Wallace、Piotr Skolimowski.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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