米中首脳会談 トランプ大統領の成果は?日本への影響は?
小川彩佳キャスター:
14日、米中首脳会談とは別に、イラン情勢をめぐって大きな動きがありました。日本のENEOSホールディングスは、原油タンカーが事実上の封鎖が続いていた「ホルムズ海峡を通過した」と発表しました。原油の安定供給は実現していくのか、米中首脳会談をどのように紐解きますか。

ワシントン支局長 涌井文晶記者:
アメリカのホワイトハウス側の発表によりますと、米中両首脳はホルムズ海峡は「開放されたままであるべきだ」との認識で一致したと説明しています。
また、習近平国家主席が、中東産に依存している(石油の)調達を分散するために、アメリカ産石油の将来の購入拡大に関心を示したと説明しました。
ただ、中国側はこの点について具体的な発表はしていません。アメリカ側の発表を額面通りに受け取ったとしても、中国側が直ちに具体的に行動するとまでは言えませんので、米中首脳会談をもってホルムズ海峡の問題が解決に向かうかというと、そのような成果までにはいたっていないのではないかと見ています。
藤森祥平キャスター:
トランプ大統領の取り引きについて、どのように見ていますか。

涌井文晶記者:
先ほどトランプ大統領がインタビューに答えた内容がFOXニュースで放送されました。それによると、中国側が、アメリカ産大豆とLNG液化天然ガスなどのエネルギーの輸入拡大をすることで合意したということです。
これは、会談の前からアメリカ側がずっと求めていた内容です。さらに、中国がボーイングのジェット機を200機購入することも合意したと説明し、アメリカ側としては国内向けにアピールできる材料は取れたのかなと思います。
ただ、こうしたビジネス的な取り引きをアメリカ側が求めている一方で、その引き換えに、例えば中国側が非常にこだわっている台湾問題で譲歩するのではないかということが懸念されていました。
しかし、この点についてアメリカ側が譲歩したのかは現時点で明らかになっていませんので、アメリカが一方的に取ったと言えるような状況なのかは今後、もう少し情報を見ていかなければなりません。
藤森祥平キャスター:
アメリカ側としては強調材料を示しているわけですが、実際はどうでしょうか。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
トランプ大統領としても前進が欲しいですよね。イランでは特に進展がなかったので残念かなという感じです。

経済に関しては中間選挙に向けてのアピールということでかなり気合いを入れていますよね。晩さん会も錚々たるメンバーを連れて行っているわけですから。
アメリカは結局、米国の経済が中国なしには成り立たないということをわかっているので「偉大なリーダー」なんて言ったりして親中派にならざるを得ないところがあるわけですよね。
そう考えると、米中が近づいていく中で日本だけが反中感情をずっと持っていると、このまま取り残されてしまうのではないかという危機感を持つべきなんじゃないかと思いました。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書『人新世の「黙示録」』