英国のストリーティング保健相が14日、スターマー首相に与党・労働党の党首交代を求め、辞任を表明した。党内左派勢力が推すマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏も、党首選出馬の可能性に向けて動き始めた。労働党では近く党首選が実施される可能性が高まり、スターマー氏はライバルたちとの争いに直面する見通しだ。

英国のストリーティング保健相(5月13日)

ストリーティング氏はX(旧ツイッター)に、「あなたが次の総選挙で労働党を率いることはないと明らかとなり、労働党議員や労働組合が、今後についての議論を求めている」とするスターマー氏宛の書簡を投稿した。また、首相の後任を巡って「可能な限り最良の候補者が競い合うこと」を望むとも述べた。

短期債よりも財政や政治リスクの影響を受けやすい英30年債利回りは14日、下げ幅を縮小し、一時約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い5.67%前後で取引されている。

下院補選へ

正式な党首選が実施される場合、ストリーティング氏の他にも複数の立候補が見込まれる。

労働党党首選は、議員でなければ出馬資格がない。労働党のジョシュ・サイモン氏は14日に議員職を辞し、その後、マンチェスター市長の氏が補選に出馬する意向を表明した。バーナム氏については、後押しする党内左派勢力が議席確保に動いていた。

14日午後、バーナム氏の補選出馬以降のニュースが流れると、ポンドは一時1カ月ぶりの安値に落ち込んだ。

バーナム氏は、英国の有権者の間で支持率が増している唯一の有力政治家で、もし両者が争えば、ストリーティング氏には不利になる可能性がある。ストリーティング氏の書簡は、バーナム氏が候補者に加わることを望んでいることを示唆していた。だが、側近らはより率直で、バーナム氏が議会入りする前に迅速に党首選を行うよう公然と求めている。

アンジェラ・レイナー元副首相も14日朝、辞任につながった自身の税務を巡る調査で不正がなかったと確認されたと述べた。

党首選の実施を正式に求めるには、スターマー氏の対抗馬となる候補が、労働党議員の20%にあたる81人(現議席ベース)の推薦を得る必要がある。その後の選挙は、党員と関連組織による優先投票で行われる。具体的な投票資格は党の統治機関が定める。

以前から対立

説得力ある政治的メッセージに欠けると批判されるスターマーとは対照的に、ストリーティング氏は効果的なコミュニケーターであり、スピーチにも長けていると評価されている。労働党内の右派に属し、ブレア元首相や、失脚した元駐米大使ピーター・マンデルソン氏ら重鎮の流れをくむとされる。一方で近年は、パレスチナ自治区ガザでの戦争といった問題について発言するなど、党内左派への配慮も見せている。

ストリーティング氏は昨年11月、党首選出馬を画策しているとの疑いを首相側近からかけられ、スターマー氏と激しく対立した経緯がある。また、今年1月には、スターマー氏の相次ぐ政策転換を批判するかのように、「2026年には最初から正しい判断を下すべきだ」と発言した。

原題:Starmer Rival Streeting Quits in Bid to Push Prime Minister Out、UK MP Steps Down to Let Andy Burnham Seek Parliament Return、Manchester Mayor Andy Burnham Seeks to Run for UK Parliament(抜粋)

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--取材協力:Jacob Reid、James Hirai.

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