三井住友フィナンシャルグループ(FG)は13日、今期(2027年3月期)の連結純利益が前期比7.4%増の1兆7000億円となる見通しだと発表した。市場予想は1兆7610億円だった。4期連続での最高益更新となる。

発行済み株式総数の1%、1800億円を上限とする自社株買いの実施も発表した。

本業のもうけを示す連結業務純益は前期比3%増の2兆4000億円を計画する。日本銀行によるこれまでの政策金利の引き上げにより、今期は3500億円以上の収益押し上げ効果を見込む。前期と比べて1000億円超増える。与信関係費用は3400億円と前期と比べて484億円改善する。中東情勢の混乱に関連する前倒しの引き当てとして、前期(26年3月期)に650億円分を計上した。

中東情勢の緊迫に伴い、国内の大手行の今期の業績動向には注目が集まっている。地政学リスクの高まりに伴う顧客企業の業績悪化や投資控えは銀行業績に影響を及ぼすためだ。三井住友FGは今期も好調を維持できる見通しだが、中東情勢の動向には慎重な見方も示す。

同日記者会見した中島達社長は、ホルムズ海峡の封鎖は2カ月程度で収束するとみつつも、物流などの混乱は一定程度続くとの前提で経営計画を策定していると説明した。企業活動が若干スローダウンし、意思決定の先延ばしなどによって「トップラインにも一定の影響はあると思う」と述べた。

中東紛争が夏以降も続いた場合には、サプライチェーンの寸断や製造・輸送コストの増加、原材料の不足から企業活動の低下を招き、インフレの世界的な進行からスタグフレーションに陥る可能性もあると述べた。「与信面でもさらに幅広い影響も出てくる」との懸念を示した。一方、手元資金を厚くしたいという企業の借り入れ需要などプラス面もあるとの見方を示した。

中東向けの融資などの関連残高は3兆5000億円と全体の約2%で、金融機関や政府関連で7割、投資適格の比率が8割超だという。また、プライベートクレジット関連は1兆2000億円と全体に占める比率は1%以下だと開示した。中島社長は「プライベートクレジット向け融資で現時点で大きな懸念は持っていない」と語った。

26年1-3月期(第4四半期)の純利益は前年同期比4.5倍の1882億円だった。前期通期の純利益は同34%増の1兆5830億円となった。資金利益の増加に加え、国内の旺盛なコーポレートアクションの捕捉や資産運用ビジネス、決済ファイナンスビジネスなどの手数料収入が増えた。

また、29年3月期に実質的な資本に対する収益性を示す有形株主資本利益率(ROTE)で13%(前期実績は11.4%)、純利益2兆円などを目標とする計画も発表した。中長期的にはROTE15%、純利益2兆円台半ばを目指す。

中島社長は純利益2兆円の達成に向けて「次の3年はテクノロジーの活用がキーになる」とした。人工知能(AI)やクラウド人材を1000人規模に増やす方針だ。

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