(ブルームバーグ):イラン戦争の先行きが見通せず、エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡の実質封鎖が続く状況にもかかわらず、買い意欲の後退に伴い原油の現物価格が軟化した。買い手が先を争う熾烈(しれつ)な状況が様変わりした。
しかし、トレーダーは今の落ち着きが一時的に過ぎない可能性を警戒している。業界が頼る応急措置は、不足を無期限に埋め合わせることはできず、現物価格が再び急騰する危険がある。
価格は4月後半から緩み始め、過去1週間でその動きが加速した。原油現物取引の国際指標、デイテッド・ブレント(北海原油代表油種ブレントの積載日確定後の現物)の算出に用いられるプレミアムは、過去1カ月で最大90%縮小し、ほぼ開戦前の水準に戻った。
西アフリカ産やカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)経由で輸出される原油の直渡しは、ベンチマーク価格に対し小幅なディスカウント水準で取引されるケースもあった。
価格はおおむね市場の逼迫(ひっぱく)を引き続き反映しているが、イラン戦争で世界の供給量の10%余りが失われる前の最近数年の通常範囲内に収まっている。
一部のトレーダーによれば、米国とイランが戦争終結に向け合意に近づいたと期待される状況で、買い手が購入を控えた。ホルムズ海峡が再開し、価格が暴落する前に高値で買い付けることを警戒しているという。
他の関係者によると、石油精製業者はジャストインタイム方式で在庫を減らし、稼働率を下げ、より遠方の生産者から原油を調達している。
米国が輸出を急増させる一方、最大の購入国である中国の石油大手が原油を国際市場で売る異例の動きに出たとブルームバーグが4月22日に伝えた。中国の輸入量急減で現物価格の下げ圧力が増した。
スパルタ・コモディティーズのリサーチ責任者ニール・クロスビー氏は、輸入に依存するアジアの買い手が、「必要最小限」の原油供給でやりくりしていると分析した。
原題:The Physical Oil Squeeze Eases for Now as Buyers Back Away(抜粋)
--取材協力:Mitchell Ferman.
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