米アマゾン・ドット・コムが物流サービス事業の拡大を発表したことを受け、4日のニューヨーク株式市場で運輸株が急落している。アマゾンは宅配業者や貨物航空業者の主要ライバルとなるだけでなく、トラック運送業者や物流仲介業者にも影響を及ぼすとみられる。

フェデックスの株価は一時9%余り下落し、約1年ぶりの大幅安となった。同業のUPS株も一時10%下げた。物流サービスのフォワード・エアーは20%台、GXOロジスティックスは10%台の急落。貨物輸送のオールド・ドミニオン・フレイト・ラインも5%を超える値下がりとなった。

アマゾンは長年にわたり配送ネットワークを拡充してきたが、主に自社マーケットプレイスの出品者向けに、迅速な配送強化に重点を置いてきた。今回はそのネットワークをアマゾン出品者以外の企業にも開放する。アマゾンは4日の発表文で、多角的工業メーカーの3Mや、アウトドア用品小売りのランズ・エンドなど、独立顧客に対して貨物輸送や流通、受注処理、小口配送サービスを提供すると明らかにした。

モルガン・スタンレーのアナリスト、ラビ・シャンカー氏は、この発表が「北米の貨物輸送企業にとって転換点となる可能性がある」と4日付の顧客リポートで指摘した。航空貨物企業と宅配業者が最も大きな打撃を受ける可能性が高い一方、トラック運送会社や鉄道、海運会社、倉庫運営企業にもリスクは及ぶと述べた。

アマゾンは顧客による注文の処理と配送のために設計された倉庫と配送拠点の大規模なネットワークを運営している。このネットワークの余剰能力を活用するため、同社の中核事業である電子商取引と無関係な輸送であっても、サービスを提供しようとしている。これによりアマゾンが対応可能な市場規模が拡大し、UPSやフェデックスから顧客を奪う可能性がある。

配送コンサルティング会社LPFスペンド・マネジメントの創業者ネイト・スカイバー氏は「アマゾンは数年前からこの方向に進んでおり、サプライチェーン能力の一部をアマゾン出品者以外にもサービスとして提供してきた」と指摘した。「エンド・ツー・エンドの輸送能力を、統合されたサービスとして市場に投入することは、米国の物流市場を揺るがしかねない」と述べた。

原題:FedEx, UPS Shares Tumble on Amazon’s ‘Watershed’ Logistics Move(抜粋)

--取材協力:Spencer Soper.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.