(ブルームバーグ):米国株が4月に記録的な上昇を遂げた後、強気派は、買い手がほとんど残っていないという現実に直面しつつある。
少なくとも、大口の資金を動かす運用者の間では、こうした見方が広がっている。S&P500種株価指数が2020年以来の好調な上昇を記録する中、数十億ドル規模の資金が株式市場に流入したが、その勢いは鈍化し始めた。ヘッジファンドや商品投資顧問は買いを縮小し、ゴールドマン・サックスの株式ポジション指標は、過去5年間でもほとんど見られないほどの過密状態を示している。
中東情勢の不透明感や、ばらつきが見られる国内企業の決算に直面し、市場関係者の不安は、一層高まってきた。4月だけで米国株の時価総額が6兆ドル増加したため、機会を逃すことへの懸念は依然として大きいが、トレーダーは例年難しいとされるこの時期、市場に株価上昇を維持するだけの余力があるのかを見極めようとしている。
ゴールドマンのトレーダー、ゲイル・ハフィフ氏らは4月29日のリポートで「市場は短期的には過熱感を解消し、史上最高値への上昇で積み上がった過剰な部分を取り除く局面に入る可能性が高い」と指摘した。
S&P500は4月に10%上昇し、企業収益の底堅さや堅調な経済指標、イランを巡る緊張の緩和を背景に、2020年以来で最高の4月となった。ナスダック100指数は16%上昇、半導体株は2000年以来の好成績を記録し、ハイテク大手「マグニフィセント・セブン」を示す指数も15%上昇した。
好機を逃すことへの恐れが顕著に表れ、ゴールドマンのリスク選好指数は、過去5年の34パーセンタイルから、1カ月で99パーセンタイルへと急上昇した。ゴールドマンのトレーダーによると、このような上昇は、株式が短期的に下落しやすい状態にある可能性を示している。また、同社が追跡する別の投資家エクスポージャー指標は、先週1.5まで上昇し、ポジションの過密状態を示す水準に達した。

もっとも、すべての分野で同様の動きが見られるわけではない。企業の自社株買いは一定の下支えとなる見通しで、四半期決算の開示後に取引可能期間に入る企業が多い。ゴールドマンの自社株買い部門によると、現在約40%の企業がいわゆる自社株買いの解禁期間にあり、この状況は6月12日まで続くと見込まれている。
また、個人投資家も引き続き米国株の買い手となっており、資金流入は少なくとも現時点では通常の水準付近にある。
それでも、季節要因による逆風も含め、今後の道筋は容易ではない。1928年以降、5月はS&P500にとって3番目に成績の悪い月となっている。機関投資家の需要の減退や夏場の取引量の減少、上昇分の調整局面を背景に、5月から10月にかけてパフォーマンスが低迷する可能性がある。
ヘッジファンドにも慎重姿勢の兆しが見られる。上昇局面でショートポジションの買い戻しが進んだことでグロスレバレッジは低下した。取引全体の活動も鈍化しており、新たなエクスポージャーを積み増す余地が縮小していることを示している。
サスケハナ・インターナショナル・グループのデリバティブ戦略共同責任者クリス・マーフィー氏は「市場はなお底堅いが、ポジショニングは支えになりにくくなっており、投資家は原油価格が高止まりした場合の利益率圧迫など、下振れリスクへの関心を強めている」と述べた。
原題:Goldman Traders Brace for ‘Froth’ Removal as Stocks Get Crowded(抜粋)
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