(ブルームバーグ):1日朝の外国為替市場の円相場は対ドルで156円台後半で推移。日本の当局が為替市場で円買い介入をしたとの観測が広がった。市場関係者の間では、当局が介入を続けることへの警戒感が強く、ドルの上値は重くなりそうだ。債券相場は円高が支援材料となり、上昇(利回りは低下)が見込まれている。
片山さつき財務相は4月30日、「かねてより断固たる措置に言及をしてきたところだが、いよいよ断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と発言。三村淳財務官も「非常に投機的な動きが高まっている」とした上で「いよいよ断固たる措置を取る時が近づいている」と述べた。その数時間後に円が一時ドルに対して3%上昇し、日中ベースでほぼ2年ぶりの大幅高となった。
三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は「5円も円高に動いたのは当局の発言による反応にしては大きすぎるので、実弾介入があったのだろう」と語る。「2024年も大型連休中に2回目の介入があったので、警戒感からドルの上値が抑制されるだろう」と言う。
もっとも、「原油価格上昇や日銀のビハインド・ザ・カーブ観測など、ファンダメンタルズ要因がこれまでの円安の背景にあるため、長期的な円高トレンドに転換したとみるのは時期尚早」との見方も示した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは1日付のリポートで、22年10月や24年4月、7月の介入は2営業日連続で実施されており、追加的な介入が発動され、ドル・円が155円割れまで調整するかが注目だと指摘。大型連休中を含めて「介入警戒がドル円の上値を抑制しよう」と記した。
債券
債券相場は上昇(利回りは低下)が見込まれている。原油価格の下落や米長期金利の低下に加え、為替相場の円高が支援材料になる。
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「為替市場で介入があったもようで、政府が円安に強い警戒感を示したことにより、日銀は6月に利上げしやすくなる」と語る。前日は日銀がインフレに対して後手に回る「ビハインド・ザ・カーブへの懸念から超長期債が大きく売られたが、本日はそうした懸念も和らぐだろう」と語る。
先物の夜間取引で中心限月6月物は4月30日の日中取引終値比29銭高の129円55銭で終えた。佐野氏の先物の予想レンジは129円39銭-129円76銭、新発10年債利回りは2.47-2.5%(30日は2.515%で終了)。30日の米10年国債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.37%程度で引けた。
10年物価連動国債入札
- 発行予定額は2500億円程度
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジスト
- 大型連休のはざまで、 発行日は連休後という日程的な取り組みにくさはあるが、インフレヘッジ目的の投資需要により無難通過を予想
- 円安、原油高、日銀の利上げが遅れるビハインド・ザ・カーブや財政拡張への懸念から、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は2%を上抜く可能性がある
- 中東情勢次第でコア消費者物価指数(CPI)は前年比2%超の伸び率が継続するリスクもある
- 日本債券:10年物価連動国債の過去の入札結果 (表)
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