日本航空(JAL)は30日、今期(2027年3月期)の純利益計画は前期比20%減の1100億円を見込むと発表した。イラン戦争の影響によるジェット燃料価格の高騰が収益を圧迫する。

ブルームバーグが事前に集計したアナリスト予想の平均値904億円を上回る。会社発表によると、今期の売上高は前期比4.1%増の2兆950億円を見込む(市場予想は2兆1494億円)。

3月2日公表の成長戦略では、26年度の純利益は1100億円を見込むとしていた。イラン戦争の影響は含めずに、政府からの補助金の減少などを織り込んでいた。決算説明した斎藤祐二副社長によると、イラン戦争により燃料費高騰が続いた場合、月間280億円の費用増を見込む。政府補助金(50億円程度)と燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)施策で従来計画は維持可能と判断した。

第1四半期(26年4ー6月)のイラン戦争によるマイナス影響は利払前・税引前利益(EBIT)ベースで月110億円程度と試算している。一方、マーケットが非常に強く、客数も単価も好調で、この状況が続けばマイナス影響は取り返せるという。また、7月以降については、燃油供給が滞るなど大きな問題が発生しない限り、今期計画は十分達成できると見込んでいる。

JALのロゴ

イラン戦争の影響でジェット燃料価格が高騰し、航空各社業績の下押し要因となっている。JALとANAホールディングスは国際線運賃に上乗せする燃油サーチャージの大幅引き上げにより、燃料価格上昇の収益への影響は緩和する見込みだが、消費者の旅行控えを招く恐れもある。

前期(26年3月期)実績は、大幅な増収増益となった。売上収益は、前期比9.1%増の2兆125億円と、再上場後の最高収益を更新した。引き続き好調なインバウンド需要に加え、日本発ビジネス需要の回復が計画を上回り、旅客数・単価が前年より大きく増加した。また、3月の中東情勢悪化による中東での外国航空会社の運休の影響を受け、同社の欧州線直行便への代替需要やインド発北米行きの乗り継ぎ需要を取り込み、運休となったドーハ線を上回る収益を確保した。

決算発表を受けてJALの株価は、一時上昇に転じ1.4%高の2501円を付ける場面もあったが、その後は前営業日の終値を挟んだ展開となっている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、デニス・ウォン氏はリポートで、航空運賃の上昇を受け「日本では新幹線や都市鉄道の利用が進む見通し」と述べた。「世界的な供給混乱に加え、コスト転嫁の遅れにより、燃油サーチャージは夏以降も続く公算が大きく、鉄道の優位性は長くなるだろう」と続けた。

同時に、JALは30日、2000億円の社債型種類株式の発行を決定したと発表した。既存株主の持ち株比率を希薄化させずに、成長資金の調達と自己資本の拡充を同時に実現し、資本効率の向上も図る。調達資金で、事業ポートフォリオの変革などに取り組む。

(説明会の内容などを追加し、株価を更新しました)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.