アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、来月の議長任期満了後も理事としてFRBに留まると述べました。政権からの強い圧力を受けるなか、異例の表明です。

FRB パウエル議長
「議長としての任期が5月15日で終わった後も、当面、理事として職務を継続します」

パウエル議長の理事としての任期は2028年まで残っていますが、議長退任後は理事も退任するのが通例で、今回の表明は異例です。

パウエル氏は「適切だと判断した時期に退任する」としたうえで、FRB本部の改修をめぐる自身への刑事捜査が「完全に、かつ透明性をもって終結したと判断できるのを待つ」と説明しています。

この刑事捜査をめぐっては、FRBは、パウエル氏に利下げを迫るトランプ政権による不当な政治圧力だと反論していました。

司法省は先週、捜査の終結を表明しましたが、パウエル氏は「検事は捜査の再開をためらわないとも述べている。残りのプロセスを注意深く見守っている」と指摘。そのうえで、「私が懸念しているのはFRBに対する一連の違法な攻撃だ。政治的な考慮をせず、金融政策を遂行する機能を脅かしている」として、FRBの独立性が「危険にさらされている」と述べています。

パウエル氏の留任表明を受け、トランプ大統領は「他に就職先が見つからないからFRBに残りたいのだ。誰も彼を雇わない」とSNSで揶揄しています。

FRBは29日、原油高でインフレ懸念が高まるなか、経済の動向を見極めることが適切だとして、3会合連続となる利下げの見送りを決定しています。