ドイツのコメルツ銀行に対し、イタリアの金融機関ウニクレディトが株式公開買い付けに動き出したことを受け、ドイツ政府は複数の欧州金融機関に買収防衛策への協力を打診した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者が匿名を条件に語ったところでは、ドイツ当局は、新たな戦略的投資家がコメルツ銀の株式を一部取得するか、買収する可能性を検討し、複数の金融機関に非公式に接触した。一連の協議は極めて初期段階という。

今回の打診は、コメルツ銀の独立性維持に力を注ぐドイツ政府の姿勢を示すと同時に買収を阻止する他の選択肢の限界を浮き彫りにする。さらに現時点でウニクレディトに代わる投資家を説得する難しさもうかがわせる。

アンドレア・オルセル最高経営責任者(CEO)率いるウニクレディトは、コメルツ銀の第2位の株主。ドイツ財務省の報道官はコメントを控えた。

ウニクレディトは2024年後半にコメルツ銀への出資を開始して以降、持ち株比率を着実に高めてきた。ドイツ政府はこうした動きを「敵対的買収」と見なし、反対を続けている。ドイツの中堅企業向け融資ビジネスの極めて重要な意思決定が、フランクフルトからミラノに移る可能性を懸念している。

ウニクレディトが公開買い付けに動けば、同行のコメルツ銀株の保有比率は30%を超えると見込まれ、潜在的なホワイトナイト(友好的な買収者)にとって大きな障害になるとアナリストはみている。コメルツ銀の高いバリュエーション(評価)に見合う条件を提示し、ウニクレディトとの買収合戦に踏み切るホワイトナイトが現れるかどうかなお見通せない。

コメルツ銀の株式の約12%を保有するドイツ政府が断固反対を続ける場合、資源集約的な闘いを続けるかどうかウニクレディトの意思が試されることなる。事情に詳しい別の関係者によると、オルセル氏が株式売却の可能性を含め、選択肢を広く残している理由の一つはそこにあるという。

原題:Germany Sounded Out Possible Commerzbank White Knights This Year(抜粋)

--取材協力:Michael Nienaber.

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