27日の原油相場は上昇。イラン戦争をめぐる和平協議再開を目指す取り組みが行き詰まり、ホルムズ海峡は事実上封鎖されたままだ。世界市場を揺るがしてきた供給混乱が長引いている。

ニューヨーク時間午前10時50分時点で、北海ブレント原油6月限は2.4%高の1バレル=107.84ドル。米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)6月限は1.9%上昇の96.20ドル。

ブレント原油は一時、3%高の108.50ドル、WTIは97ドルに迫っていたが、イランがホルムズ海峡の通航再開と戦争終結に向けた新たな合意案を米国に提示したとの米アクシオスの報道を受け、上げ幅を縮小した。

トランプ米大統領は週末、仲介役を務めるパキスタンへの特使派遣を中止した。一方、イランは脅威にさらされている限り交渉には応じないと表明した。

停戦は4月初旬以降おおむね維持されているが、米国とイランの双方によるホルムズ海峡の封鎖により、この重要なエネルギーの要衝はほぼ通航不能となっている。供給ショックによって原油や石油製品、天然ガスの供給が滞り、インフレ危機への懸念が高まっている。

SEBのチーフ商品アナリスト、ビャーネ・シールドロップ氏は「海峡が5 月中に再開されなければ、警鐘は大きく鳴り響くだろう。間に合わなければ、世界的な景気後退は避けられない」と述べた。

アクシオスによると、パキスタンの仲介者を通じて米側に伝えられた提案は、戦闘の恒久停止に向けた協議を進めるため、停戦延長を求めている。核協議については、米国が実施するホルムズ海峡の封鎖解除を前提にその後に先送りする。

トランプ氏は27日に国家安全保障と外交政策の主要メンバーと会合を開き、交渉の行き詰まりについて協議する見通しだ。

トランプ氏は25日、娘婿のジャレッド・クシュナー氏とウィトコフ特使に対し、パキスタン訪問を見送るよう指示。一方、イランのペゼシュキアン大統領は「脅しや封鎖で押し付けられる交渉」には応じないと表明した。

ホルムズ海峡の封鎖が長引くほど、供給が少なくとも10%減少する状況に合わせて需要も下方調整を余儀なくされるとトレーダーは指摘する。各国が紛争後に放出した緊急備蓄の2倍以上に相当する10億バレルの供給喪失はほぼ確実で、需要破壊が広がる可能性もある。

米中央軍によると、米軍は25日、封鎖の一環としてアラビア海で制裁対象の船舶を拿捕(だほ)した。米海軍のヘリコプターが出動して同船を阻止し、その後、同船は軍の指示に従い、護衛の下でイランへ引き返した。封鎖開始以降、計38隻の船舶が進路変更を余儀なくされたという。

原題:Oil Rises as Stalled US-Iran Peace Talks Keep Hormuz Strait Shut(抜粋)

(相場を更新します)

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