ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(パンパシI)は、食品を軸に新業態の展開に乗り出す。物価上昇を背景に高まる節約志向と利便性ニーズを取り込み、既存のディスカウント戦略と生鮮調達力を組み合わせた新たな収益モデルの確立を狙う。

同社は新たな格安スーパー「ロビン・フッド」の1号店を24日、愛知県あま市にオープンする。店名は、貧しい人々を助けた英国の民話上の英雄に由来し、生活費上昇の負担軽減を掲げる姿勢を重ねた。

Photographer: Eru Ishikawa/Bloomberg

総菜は組み合わせて1食500円以下を想定。おにぎりは価格が高騰しているのりを削減し、押し麦に変更するなどの工夫で、税込み85円から販売。自社ブランドの41本入りウインナーは同735円となっている。生鮮食品では、下味付きの肉や、骨なしの切り身魚、カット済み野菜など、調理の手間を省く商品を中心に展開する。

ロビン・フッドでは、売り場面積の約4割を食品が占め、一般的なスーパーの3倍以上の構成比となっている。非食品売り場は、兄弟店ドン・キホーテの品ぞろえを迷わずに選択できるよう設計している。パンパシI・業態転換PJ第1ブロックの古崎芳匡ブロック責任者は23日、メディア向けイベントで「利益率の高い非食品で利益を確保し、その分を食品の価格に還元していく」と話した。

訪日客需要を取り込むドン・キホーテに対し、ロビン・フッドは国内の地元客の獲得を狙う。25年6月時点で、パンパシIの売上高のうち、国内事業が80%超を占めた。6月末までに5店舗を出店し、35年までに200-300店舗に拡大する計画で、売上高6000億円、営業利益360億円を見込む。

今回の出店は、07年の長崎屋、19年のUNYと総合スーパー買収による、生鮮調達力の強化が背景にある。さらに6日には、首都圏を地盤にスーパーマーケットなどを手がけるOlympicグループの買収も発表しており、食品ディスカウント分野への拡大を後押しすると見られる。

ロビン・フッド1号店(23日・愛知県あま市)

SMBC日興証券の松尾賢弥シニアアナリストはリポートで、ロビン・フッドについて「ディスカウントスーパーマーケットかつドンキ商材を導入する予定で、差別化に奏功すればシェアアップの可能性が高い」と指摘。成長の蓋然(がいぜん)性が高まれば、業績面、株価評価ともに「目線が切り上がる可能性がある」との見方を示した。

パンパシIは2月、26年6月期の営業利益計画を1740億円に上方修正した。1日からは日経平均株価の構成銘柄に採用されている。

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