米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長に指名されたケビン・ウォーシュ元FRB理事は21日、上院銀行委員会の指名公聴会に臨み、承認された場合は独立して行動すると繰り返し表明した。

利下げを執拗に求めるトランプ米大統領の「操り人形」になりかねないとの民主党議員の懸念を退けた。

ウォーシュ氏はまた、根強いインフレに対応するための新たな枠組みや、国民とのコミュニケーション手法の見直しなど、FRBの政策決定の在り方について一連の改革を提唱。ただ、具体的な内容にはほとんど踏み込まず、目先の金利見通しに関する質問に対しては明確な回答を避けた。

「大統領に指名されたことを光栄に思う。FRB議長に承認されれば、独立した立場で行動する」とウォーシュ氏は述べた。

ケネディ議員(ルイジアナ州)から、大統領の「操り人形」になるのかと問われたウォーシュ氏は、「断じてない」と答えた。

また、金利決定についてトランプ大統領から約束を求められたことは一度もないと付け加えた。

冒頭証言でウォーシュ氏は、FRBの独立性の重要性を強調。トランプ氏は数カ月にわたり積極的な利下げを求めてきており、FRBが今後も政治的影響を受けずに金利を決定できるかを巡り懸念が強まっている。

新たなインフレ枠組み

ウォーシュ氏はまた、新型コロナウイルス禍でインフレ高進を許した責任はFRBにあると批判した上で、根強いインフレに対応するため、FRBには新たな枠組みが必要だとの認識を示した。

「インフレ率は数年前ほど深刻ではないが、勤勉に働く米国民がその影響を感じていることは間違いない」と指摘。「これは政策運営のレジームチェンジ(体制転換)を意味する。つまり異なる、新たなインフレ枠組みが必要だということだ」と続けた。

ただ、これが金利にどのような影響を与えるかについては言及しなかった。トランプ氏が年内に政策金利を約1%に引き下げるよう求めている点に同意するかとの問いに対しては、「フォワードガイダンスを信奉していない。将来の決定について事前に示唆すべきではないと考えている」と述べ、明確な回答を避けた。

民主党のウォーレン上院議員から、2020年の大統領選でトランプ氏は敗北したかと問われると、直接的な回答を避け、議会が選挙結果を認定しジョー・バイデン氏が大統領となったと述べた。

また、未開示の資産はすべて議長就任前に売却する考えを強調した。

ウォーシュ氏と妻のジェーン・ローダー氏は、指名手続きの一環として行った財務開示で、少なくとも1億9200万ドル(約306億円)相当の保有資産があると明らかにした。ただ、実際の保有額はこれを大きく上回るとみられ、同氏はFRB史上最も富裕な当局者の1人となる見通しだ。

ウォーシュ氏の承認を巡る見通しは依然として不透明だ。銀行委の共和党議員は同氏を評価しているものの、党内の有力メンバーであるトム・ティリス上院議員は、司法省(DOJ)によるパウエル現議長を巡る捜査が終了するまで、いかなるFRB人事も承認しないと表明している。捜査はFRB本部ビルの改修と同プロジェクトに関するパウエル氏の議会証言に関するものだ。

ただ、ティリス氏は21日、司法省が捜査を打ち切り、議会が調査を開始するというティム・スコット銀行委員長の提案を歓迎すると発言。ウォーシュ氏の人事承認手続きを進めることにオープンな姿勢を示唆した。

原題:Warsh Pledges Independence But Dodges Questions on Rates(抜粋)

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