(ブルームバーグ):フランスのコンテナ船と日本企業が関係するタンカーがホルムズ海峡を通過した。イラン戦争によって重要な水路が事実上閉鎖されて以降、初の通過とみられる。
船舶追跡データによると、仏コンテナ船「CMA CGM Kribi」は現地時間2日午後、ドバイ沖からイラン方面へ航行していた。その後、同船はイラン沿岸に沿って航行し、ケシュム島とララク島の間の水路を通過。航行情報を公開したまま移動し、3日朝にはオマーンのマスカット沖にいることを示した。事情に詳しい関係者2人も、同船がホルムズ海峡を通過したと述べた。西欧に関連する船舶の通過が確認されたのは初めてとみられる。
商船三井が共同保有する液化天然ガス(LNG)船「ソハール」も、ホルムズ海峡を通過したことが分かった。商船三井が3日に通過を認めた。同社への取材で、LNG船に続いて関連会社のタンカー船も日本時間4日までに通過したことが分かったと朝日新聞は報じた。
船舶追跡データによれば、ソハールは現在、オマーンのマスカット近海に位置している。過去1カ月間は、ペルシャ湾を周回していた。

米国とイスラエルがイランを攻撃して以降、ホルムズ海峡の航行はほぼ停止状態にあり、通過できる船はごくわずかにとどまっていた。その多くはイランの友好国に関係する船舶で、同国が自国沿岸に沿う航路で事前承認を与える仕組みが形成されている。
今回のフランス船と日本関係船の通過は変化の兆しを示すものの、政府間外交の結果か、企業や仲介業者による個別交渉の成果かは明らかでない。日仏両国はいずれも今週、停戦を呼びかけており、マクロン仏大統領は海峡再開の必要性を強調しているが、爆撃停止後でないと実現しないとも述べている。
ブルームバーグが先に報じたように、ここ数週間で形作られつつあるイランのシステムの一環で、一部の船舶はイランに通航料を支払う必要が生じている。商船三井の広報担当者はソハールが料金を支払ったかどうかについてコメントを控えた。フランス船の所有者であるCMA CGMもコメントを控えている。
フランス財務省はコメント要請に応じなかった。フランス外務省はコメントを控えた。
CMA CGM Kribiはマルタ船籍で、所有するCMA CGMは世界3位のコンテナ船会社。同社はフランスの富豪一族、サーデ家が過半を握っている。創業者は内戦下のレバノンからフランスに移住し、1978年にマルセイユでリース船1隻から事業を開始した。
これまで同海峡を通過した船の多くはイランと友好的な国に属しており、パキスタンなど一部の国は安全航行のための協定を交渉している。多くはイラン沿岸に沿う航路を取っていたが、最近ではオマーン沿岸を通る別ルートも現れている。LNG船はこのルートを取り、2隻の超大型原油タンカーも同様だった。
イランは一方で、世界の石油・ガス供給の要衝である同海峡への長期的な支配を強める動きを見せており、通航料制度の確立を進めている。これは同海峡に依存する湾岸アラブ諸国に懸念をもたらしており、消費国にとっても負担増につながる。イランはオマーンと共同で新制度を運用する可能性を示しているが、オマーン政府は見解を明らかにしていない。
ホルムズ海峡を出入りする船舶の追跡は正確とは限らず、激しい信号妨害や信号偽装によって一層複雑になっている。
トルコ船1隻もここ数日に同海峡を通過したと、トルコ政府が3日遅くに明らかにした。
原題:French and Japanese-Owned Ships Make First Hormuz Crossings (1)(抜粋)
(3段落目に2隻目の日本船舶の通過を追加して更新しました)
--取材協力:Tara Patel.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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