イラン戦争は欧州中央銀行(ECB)のシナリオにユーロ圏経済を追いやりつつあり、次回の政策行動は利上げとなる可能性が極めて高いと、ECB政策委員会メンバーでフランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁が述べた。

「戦争の長期化は明らかに悪材料だ」とビルロワドガロー氏は2日、パリで発言。現時点で「ユーロ圏は『基本シナリオ』よりも、『逆境シナリオ』に近づいている」と語った。ECBは3月、基本シナリオに加え、それよりもインフレが悪化した場合を想定した逆境シナリオ、さらに深刻化する場合の深刻シナリオの2つを発表していた。

ビルロワドガロー氏の見解は、他の政策委員数人とも一致する。パネッタ・イタリア中銀総裁も同日、戦争が速やかに終結するとしても生産の正常化には時間がかかるとの認識を示し、「逆境シナリオと深刻シナリオの実現可能性は、2週間前の発表時よりも高まっている」とローマで述べた。

3月のユーロ圏インフレ率は、2022年にロシアがウクライナに対する全面侵攻を開始して以来の急激な上昇を記録した。トランプ米大統領が事態をエスカレートさせる意思を示す一方で、各国政府や中央銀行は経済成長予測を下方修正している。

逆風は強まっているが、ビルロワドガロー氏は利上げ時期の断定は尚早だとくぎを刺した。4年前よりも現在の方が景気の状態ははるかに良かったとの認識を示し、現時点で4年前の再現にはなっていないと指摘した。

「ECBの利上げスケジュールを予測するのは時期尚早だ。だが、必要な時期に必要な形で行動する能力がECBにあるのは論を待たない。政策金利の次の変更は、引き上げ方向である可能性が極めて高いのは明らかだ」と語った。

原題:Villeroy Says Economy Now Closer to ECB’s Adverse Scenario(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.