経済産業省と厚生労働省は31日、中東情勢に影響を受ける医薬品・医療機器・医療物資等の確保に向けて対策本部を設置したと発表した。安定供給を維持するため、省庁横断で対応に乗り出す。両大臣が本部長を務め、同日に初回会合を開いた。

同対策本部は、輸血用血液製剤などの医薬品、透析回路などの医療用機器、注射器、医療用手袋やエプロンなどの医療物資の安定供給確保に向け、両省が連携して取り組む。現時点では、原油や石油製品について供給量自体は確保されているが、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じており、解消に向けた対応が課題となっている。また、情勢が長期化すれば代替品も含め、物資調達が急務となる可能性がある。

会合に先立ち、上野賢一郎厚労相は医療機器等の安定供給確保の観点から「懸念や課題が発生している場合には、直接、企業とコンタクトを取り、詳細の把握に努める」と述べた。赤沢亮正経産相は「あらゆる可能性を排除することなく状況に応じて、機動的に対応していくことが不可欠になる」と指摘した。

注射器や医療用物資

同氏は30日、供給制約が生じる可能性がある重要物資の安定確保に向けた総合調整を行うため、重要物資安定確保担当大臣に任命されている。31日の閣議後会見では、高市早苗首相から石油製品を含む重要物資の供給状況を総点検するよう指示があったと明らかにした。

また、赤沢経産相は同会見で、原油不足によりアジア各国の生産に依存している製品に関して、「長期的な供給に影響が生じているとの情報が寄せられている」との認識を示した。現時点で供給が直ちに滞る状況ではないが、代替製品を世界全体から調達するなどの対応を進める方針を示した。国民に対しては「全体として供給量は足りているという認識のもと、普段通りの生活をお願いしたい」と呼びかけた。

医師・歯科医師の全国組織である全国保険医団体連合会は25日、注射器やカテーテルなどの医療資材について、国内在庫の確保と安定供給を求める声明を発表。「供給が不足すれば患者さんのいのちと健康に直結する」として、政府に対応強化を求めていた。

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