(ブルームバーグ):ホルムズ海峡の外側に位置するアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港は、今月14日にイランの無人機(ドローン)攻撃を受けて操業を一時停止したものの、石油輸出を急ピッチで拡大させている。主要原油積み出し施設の一部が稼働を再開し、輸出増を後押ししている。
アブダビ国営石油(ADNOC)がフジャイラ港に持つ最大の原油取り扱い施設は稼働のペースを上げている。同港は事実上閉鎖状態にあるホルムズ海峡を迂回できるため極めて重要な役割を担っており、同海峡を回避してペルシャ湾岸の原油を輸出する上では、紅海に面するサウジアラビアのヤンブーに次ぐ拠点となっている。このためイランが攻撃対象とすることも多い。
ブルームバーグがまとめたタンカー追跡データによると、ADNOCの施設の操業は大部分再開され、3月20日から24日までの期間における原油積み込みは日量約190万バレルに増加した。これは過去1年間の平均である約121万バレルから57%の増加。24日まで1カ月間の平均は日量148万バレルだった。
ただ、同地域での追跡を可能にする衛星信号はジャミング(電波妨害)によって送信が阻止されることも多く、直近の輸出量についてはなお確認が必要だ。

フジャイラはホルムズ海峡から南へ130キロメートルの地点にあり、イランに近い。このため、サウジのヤンブーよりも攻撃を受けやすい。過去4週間にイランはフジャイラを少なくとも7回攻撃し、貯蔵タンクを破壊、石油化学施設の火災を引き起こした。
同港は原油だけでなく他の燃料の積み込みも大規模に行われているが、3週間以上前の攻撃で主要な連結管が損傷したため一部はなお操業を再開できていない。現時点で大半の燃料は、連結管を経ずふ頭まで直接つながっている港の古い区域で積み込まれていると、事情に詳しい関係者は述べた。
独立系石油商社ビトル・グループが運営する分も含む、港湾に隣接する製油所は依然として稼働を停止している。
直近の原油輸出量は、アブダビの陸上油田と港を結ぶ全長406キロのパイプラインが限界に近い量の石油を輸送していることが示唆される。
同パイプラインは、サウジが1日当たり最大700万バレルをヤンブーに輸送できる同国の東西を結ぶパイプラインと比べればはるかに小さいが、UAEにとって重要な代替ルートであり続けている。

原題:UAE Port Ramps Up Hormuz-Dodging Oil Flows After Iranian Strikes(抜粋)
--取材協力:Alex Longley、Olga Tanas、Paul Burkhardt.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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