米サンフランシスコ連邦地裁は26日、アンソロピックの人工知能(AI)テクノロジーを米政府が利用することを禁じたトランプ政権の措置に対し、差し止め命令を出した。対話型AI「Claude(クロード)」を手がける同社は、この禁止措置により数十億ドル規模の収入損失が生じる可能性があると主張していた。

リタ・リン判事は暫定的な差し止めを命じ、政権がアンソロピックとの関係を全面的に断つ計画に待ったをかけた。政府側に異議申し立ての機会を与えるため、命令の発効は7日間猶予されている。

アンソロピックは米軍が利用するAIの安全対策を巡り政府と対立し、溝が埋まらなかった。国防総省は今月、同社を米国のサプライチェーンに対する脅威と認定。アンソロピックはこれに対し、裁判所の差し止め命令を求めて訴えを起こしていた。

リン判事は、政権による禁止措置の根拠に疑問を呈し、国家安全保障上の利益を目的としたものには見えないと指摘。「懸念が指揮命令系統運用の完全性にあるのなら、戦争省(国防総省)は単にクロードの使用を停止すればいい」とし、「むしろこれらの措置はアンソロピックを罰するために設計されているように見える」と結論付けた。

国防総省の報道官は、勤務時間外に送られたコメント要請に直ちには応じなかった。

アンソロピックは連邦地裁の判断を歓迎するコメントを発表。「今回の訴訟はアンソロピックと顧客、パートナーを守るために必要だったが、われわれの焦点は今後も政府と建設的に協力し、すべての米国民が安全で信頼できるAIの恩恵を受けられるようにすることにある」と説明した。

原題:Anthropic Wins Court Order Pausing Trump Ban on AI Tool (2)(抜粋)

--取材協力:Katrina Manson.

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