(ブルームバーグ):一部の地域で桜が開花し、日本列島はこれから本格的な花見シーズンを迎える。物価高で花見に欠かせない食べ物や飲み物にかかるコストが過去最高となる中、予算額は減少するなど消費者が財布の紐(ひも)を締めて自衛する傾向がうかがえる。イラン情勢を巡り今後のエネルギー高が見込まれる中、来年以降もさらに厳しくなるとの見方が出ている。
第一生命経済研究所が花見の定番のおにぎりやビールなど14品目を対象に作成した「花見コスト指数」は、2月時点で2020年に比べて25%上昇した。前年同月比でも4%増だった。砂糖や食料油、コメやプラスチック容器などの高騰を受け、まんじゅうと炭酸飲料は46%増、おにぎりは45%増、ポテトチップスは42%増だった。
これらの試算には現在の中東情勢の緊迫は反映されておらず、今後も高騰が続けばまんじゅうやだいふく類、ポテトチップスがさらに上昇すると予測。プラスチック容器の原料高騰で炭酸飲料も価格が上がるだろうとした。
調査を担当した熊野英生首席エコノミストは、中東情勢を受けた原油高などを受け、「食料品関連はまだまだ上がり、来年はもっと厳しくなるだろう」と話す。国内の消費者が支出を制限する中、スキーなどと同様に、花見市場はインバウンドの外国人が中心になりつつあると指摘する。
ウェザーニュースによると一人あたりの予算の全国平均は前年比9%減の2730円と、コロナ禍以降上昇傾向にあったが減少に転じた。遠出をせずに近所で済ませる傾向に加え、物価高による花見への出費を抑える節約志向が現れていると分析する。市場調査会社のインテージの全国2500人を対象とした調査でも、花見の平均予算は前年比14%減となった。
一方、円安を背景に訪日客の需要が拡大し、季節消費を下支えする構図も強まっている。関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、26年の花見の経済効果は過去最高で、前年比7%増の1兆4905億円と推定される。訪日客の増加率は落ち着いているものの、円安や物価高により支出が増加し、花見の経済効果のうち訪日外国人分は約4509億円と全体の30%以上を占めるという。
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