(ブルームバーグ):トランプ米大統領がホルムズ海峡の開放に応じなければイランの発電施設を空爆すると通告し、イラン側も海峡の完全封鎖を警告するなど情勢が緊迫化する中で、アジア時間23日の国際原油価格は乱高下する展開となった。
北海原油代表油種のブレント先物は一時1.9%上昇し、1バレル=114.35ドルを付けた後は上げ幅を縮小し、日本時間午後1時すぎには0.7%高の112.9ドル前後で取引された。
原油先物価格は当初急伸したが、その後はトランプ大統領の「最後通告」とも受け取れる警告の影響を見極めたいとのムードが広がった。
疲労感やボラティリティーの異常な高まりに加え、中東での衝突を巡るトランプ氏のメッセージが一貫性を欠くことも投資家を悩ませる一因となっている。海峡の開放を求める通告は、ニューヨーク時間21日午後7時44分(日本時間22日午前8時44分)に投稿されたが、20日時点では、イランへの軍事対応の「段階的縮小」検討しているとSNSに投稿していた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物も一時1バレル=100ドルを突破し、3.2%高の101.5ドルを付けたが、日本時間午後1時すぎには99ドル台前半で推移した。
トランプ氏は21日、イランが48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、同国の複数の発電所を「攻撃し壊滅させる」とトゥルース・ソーシャルに投稿。イラン側はこれに対し、ホルムズ海峡の完全閉鎖だけでなく、米・イスラエルに関係するエネルギー・情報通信・海水淡水化インフラを攻撃の標的にすると警告した。
コモディティー・コンテクストの創業者ローリー・ジョンストン最高経営責任者(CEO)は「今回の48時間の期限設定により、トランプ氏は自らを追い詰めた。攻撃の脅威にさらされる状況で、これほど急なタイムラインの条件にイランが同意する可能性は極めて低い。いかなるエスカレーションにも対抗する能力と意思をイランが有しているのは明らかだ」と分析した。
カロバール・キャピタルのハリス・クルシッド最高投資責任者(CIO)は「次の実質的な動きには、エスカレーションのレトリックだけでなく、具体的な何かが必要だ。相場がより積極的に動き始めるには、恐らく海運や保険に関するより広範な問題が発生する必要があるだろう」と指摘した。

ゴールドマン・サックス・グループのダーン・ストライフェン氏らアナリストは22日のリポートで、ホルムズ海峡を経由する原油出荷量が6週間にわたり通常の5%にとどまると予測し、北海ブレントの26年の予想平均価格を従来の1バレル=77ドルから85ドルに上方修正した。WTIの見通しも72ドルから79ドルに引き上げた。
原題:Oil Fluctuates as Trump’s Hormuz Ultimatum Fails to Stir Traders(抜粋)
(ゴールドマンの原油価格予想などを追加して更新します)
--取材協力:Will Kubzansky.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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