米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、銀行資本要件の緩和案を公表した。採用されれば、ウォール街の大手銀行は融資や自社株買い、配当のために数十億ドル規模の資金を使えるようになる。

ボウマンFRB副議長(銀行監督担当)は「これらの変更は米銀全体の資本フレームワークを強化するものであり、新たな体制下でも強靱性は維持される」と声明で述べた。

今回公表された案は90日間の意見公募期間を経て、最終的に取りまとめられる。一連の提案はFRBのほか、連邦預金保険公社(FDIC)および通貨監督庁(OCC)の当局者が策定した。FRBとFDICの理事会、OCCのトップは19日の採決で、この計画を正式に提案することを決定した。

当局はこの画期的なパッケージを資本調和策の一環と位置付けている。最終決定されれば、補完的レバレッジ比率の緩和やストレステストの見直しと併せて、2008年の世界金融危機後で最大級の資本規制変更となる。

FRBの文書によると、これらの提案を組み合わせた場合、一部銀行の資本要件は「ある程度低下する」と見込まれる。最大手行では、最も質の高い規制資本である普通株等Tier1(CET1)資本が合計で4.8%減少し、中堅行では同5.2%減少すると試算されている。

このパッケージの一部は、将来の銀行破綻や新たな金融危機の防止を目指す国際的な枠組み「バーゼルIII」と結びついている。

規制当局はこの措置により、シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、JPモルガン・チェースといった大手行の資本積み増しが比較的小幅に抑えられると見込んでいる。具体的には、最大級の規模を持ち、かつ国際活動が特に活発な銀行の信用リスクと市場リスク、業務リスクをより適切に捉えることなどを、この計画は目的としている。

2023年当時の提案からは、大きな方向転換が示された。従来案はウォール街の一部銀行に対し、潜在的な損失に備える資本の大幅増加を求めていた。従来のバーゼルIII案には住宅ローンに関する資本要件の厳格化も含まれていたが、銀行業界からの強い反発を受け、最終決定に至らなかった。

動画:FRBが公表した銀行の資本規制変更案を伝えるブルームバーグテレビジョン

G-SIB上乗せ資本

FRBはまた、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)と定義される米巨大銀行を対象とした上乗せ資本要件を調整し、名目国内総生産(GDP)の変化に連動させる計画も公表した。当局者によると、資本バッファーはこれにより国際基準により近づくことになる。

かつて銀行監督担当のFRB副議長を務めたバーFRB理事は、今回の計画に異議を唱え、資本要件の大幅な引き下げは「不必要であり、賢明ではない」と述べた。

「この提案が採用されれば、銀行および米金融システムの強靱性が損なわれる」とバー氏は述べた。

原題:US Regulators Unveil Plans to Ease Big Bank Capital Rules (2)(抜粋)

--取材協力:Jarrell Dillard.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.