(ブルームバーグ):18日の日本市場では株式が大幅高となり、日経平均株価は3%近く上げた。中東情勢を巡る新たな悪材料が出ておらず、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らいだ。債券と円相場も上昇した。
イラクがトルコ経由でホルムズ海峡を通らない輸出再開に合意したほか、米国が重要な海上ルートの再開を迫る動きを強め、原油先物が下落したことも安心感をもたらした。
トランプ米大統領は同盟国に対し、ホルムズ海峡の航行再開を支援するための軍艦派遣を要請してきたが、欧州やアジアのパートナーは慎重な姿勢を崩していない。このためトランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、北大西洋条約機構(NATO)と日本、オーストラリア、韓国の支援は必要としていないと主張した。
アセットマネジメントOneの浅岡均チーフストラテジストは、トランプ大統領がNATOなどの協力は不要と発言したことについて、「全面的な戦争に広がらないという意味では安心感につながった」と指摘した。半導体関連株が上昇していることからも、「リスクオフがやや和らいだということ」と述べた。
株式
日経平均は1週間ぶりに5万5000円台に乗せた。TOPIX構成銘柄の9割超が上昇するなどほぼ全面高で、商社や銀行、機械への買いが相場を押し上げた。海運や電気・ガス、非鉄の上げも大きかった。
野村証券の小高貴久シニア・ストラテジストは、中東情勢を巡る緊張は続くが、今以上に状況が大幅に悪化することはないとの見方が広がりつつあると話す。「原油先物が下がってきており、過度なインフレ懸念が後退した」ことで、日本株は午後に上げ幅を広げたと指摘した。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、イラン紛争を巡り新たな悪材料が出なかったことで、株式市場は「鬼の居ぬ間に買い場探し」の状況だと語った。高市早苗首相が18日から米国を訪問し、日米首脳会談で資源調達の多様化が進むとの期待も心理的な支えだとした。
債券
債券は上昇。三井住友DSアセットマネジメント、グローバル債券グループの国部真二リードファンドマネジャーは、イラン情勢の長期化や拡大への懸念が和らいだことが債券相場を支えたと指摘した。一方で、イランの抵抗が強く停戦が見通せなければ、原油高を通じたインフレ懸念が再燃する可能性があり、相場の先行きは不透明だと話した。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、19日に予定されている日本銀行の植田和男総裁の会見は、インフレと景気悪化の双方のリスクをにらんだ発信になると予想し、「明日は神経質な、波乱含みの動きになる」とみる。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
円相場は対ドルで158円台後半に上昇。米国の長期金利低下や中東情勢を巡る同盟国の慎重姿勢が意識されてもみ合った後、原油価格の下落を受けて円買いが優勢になった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、アジア時間の薄商いの中で原油価格が下落し、反射的に円高に動いたと指摘。その上で、欧州時間入り後は新たなフローが入り、相場が戻る可能性もあるとみている。
セントラル短資FX市場業務部の富永貴之部長は「過度に一方向だった有事のドル買いは一巡した」と語った。原油高がインフレや実体経済に与える影響を見極める局面に移っているとし、159円付近は日米の金融政策イベントを前に「どちらの方向にも動き出せる水準で、発射台としては妥当」と述べた。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:長谷川敏郎、我妻綾.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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