中東情勢の先行きに備え、為替トレーダーらは極端な相場変動への防衛を強めている。

イラン戦争の勃発と原油価格が1バレル当たり100ドルへ急騰したことによる当初の衝撃が一巡した後、投資家は比較的落ち着いた局面を利用し、通貨が上下いずれの方向に急変した場合でも利益が得られる、発生確率の低いオプションの購入を進めている。

表面的には相場は安定しているように見える。ユーロの1カ月物ボラティリティ-は7.68%と、年初来の高水準から大きく低下し、1年平均の7.09%をわずかに上回る水準にとどまる。ユーロはすでに昨年8月以来の安値まで下落し、ドル指数は12月上旬以来の高値に上昇している。

ただ、詳しく見ると、トレーダーは相場が再び大きく動く事態に備え、ポジションを構築していることは明らかだ。情勢の緊迫化によって原油価格が150ドルまで押し上げられる場合と、緊張緩和によって70ドル方向へ下落が進む場合のいずれも引き金となり得る。

この動きは、大幅な為替変動に備えるバタフライオプションに最も明確に表れている。ユーロ・ドルの同オプション需要は3月上旬に11カ月ぶり高水準に達し、その後も1年平均のほぼ2倍という高水準を維持している。同様の傾向はドル・円でも見られる。

大幅な変動に備えたヘッジ需要が高まっているにもかかわらずボラティリティーが抑制されている背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が今回の危機にどう対応するのかへの見通しがある。

ダンスケ銀行のアナリストは、エネルギー価格が上昇しても、米金融当局の今年の政策軌道を大幅に変える可能性は低いと指摘する。また、ロシアによるウクライナ侵攻があった2022年との比較は適切ではなく、今回はインフレの波及効果もより小さくなるとの見方を示している。

強気・弱気オプションの需要差を示すドルのボラティリティースキューは上昇を続け、ここ最近は年初来の高水準に達した。これは、テールリスクへのヘッジを求める投資家がボラティリティーに対して、依然として高いプレミアムを支払っている一方、方向性のあるポジションを取る投資家は、ドルを選好する傾向を一段と強めていることを示唆している。

原題:Traders Snap Up Protection Against Extreme FX Swings on War Risk

(抜粋)

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