(ブルームバーグ):プライベートクレジット(ノンバンク融資)市場で引き受け基準を巡る懸念や、人工知能(AI)が一部の借り手に与える影響への不安が広がる中、ドイツ銀行と仏銀ソシエテ・ジェネラル、スイスのUBSグループの経営幹部は自行のエクスポージャーの質の高さを強調した。
ソシエテ・ジェネラルでは、担保の再評価は「軽微」にとどまっているとした上で、「数千にのぼる取引先のうち問題債権はごくわずかだ」と同行のスラウォミール・クルパ最高経営責任者(CEO)は述べた。また、ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービングCEOは、自行はプライベートクレジットのエクスポージャーで損失を一切出していないと話した。
UBSのトッド・タックナー最高財務責任者(CFO)は、プライベートクレジットに現時点でシステミックなストレスは見られないとの認識を示した。3氏はいずれも17日、ロンドンで開かれたモルガン・スタンレー主催の会議で語った。
1兆8000億ドル(約286兆円)規模のプライベートクレジット市場では、投資家の資金流出が相次いでいる。背景には、著名企業の破綻を受けたローンの質への懸念や、AIの台頭でビジネスモデルが脅かされているソフトウエア企業へのエクスポージャーに対する不安の高まりがある。個別の銀行も慎重姿勢を強めており、JPモルガン・チェースは保有ポートフォリオ内の一部融資の価値を引き下げた後、プライベートクレジットファンド向け融資の一部を抑制している。
ゼービング氏は「10年以上にわたり、プライベートクレジットで1セントたりとも損失は出していない」と発言。「一方で、プライベートクレジットを巡る問題が短期的に収まるとは考えていない。本当の意味で優劣が分かれるポイントは、誰が引き受けを行い、どのような引き受け基準を採用しているかだ」と語った。
「市場の浄化進む」
プライベートクレジット業界全体で多少の混乱が生じる可能性はあるものの、同幹部らはいずれもこの資産クラスがシステミックリスクをもたらすことはないとの考えを示した。
クルパ氏は「市場の浄化が進むことになるだろう」と述べた。業界の一部プレーヤーと長年の関係を築いている点にも言及した上で、ソシエテ・ジェネラルではここ数カ月メディアで大きく取り上げられた事例の影響は受けていないと説明した。
近年参入した後発組が「より合理性に欠ける」行動を取っていたとクルパ氏は指摘。「市場はこうした過度な動きに比較的速やかに反応し、調整が進んでいる」と続けた。
クルパ氏によると、ソシエテ・ジェネラルは証券化を含む金融スポンサー関連ビジネス全体で200億ユーロのエクスポージャーを有している。「このうちの相当な部分」をプライベートクレジットが占めているとした上で、同ポートフォリオは「非常に強固だ」と付け加えた。
ドイツ銀行は先週、プライベートクレジット分野への260億ユーロのエクスポージャーを公表していた。
原題:Deutsche Bank, UBS, SocGen Calm on Private Credit Exposures (2)(抜粋)
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