(ブルームバーグ):シンガポール政府投資公社(GIC)が、東京駅に隣接する高層ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内(PCP)」の持ち分全ての売却を検討していることが16日、分かった。売却額は少なくとも数千億円規模に上るとみられる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者らによると、売却対象はGICが保有するPCPの全オフィスフロアに当たる8階から31階部分。オフィス仲介大手のジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)とみずほ信託銀行が仲介業者として選定された。外資系不動産ファンドや、事業会社などに入札参加の打診を始めている。
GICはPCPのオフィス部分を2014年10月に当時のセキュアード・キャピタル(現PAGインベストメント・マネジメント)から1800億円規模で取得。投資から十数年が経過し、出口を模索するタイミングを迎えていた。
今回の取引は国内金利の上昇局面で行われる。日本銀行が昨年12月に政策金利を0.75%に引き上げる中、長期金利は1月に27年ぶりの高水準となった。一般的に金利上昇は不動産取得コストの上昇などマイナス要因となるため、影響を見越した売却の動きが広がる可能性もある。
GICとJLLの広報担当者はコメントを控えた。みずほ信託銀の広報担当者は個別の取引についてはコメントを差し控えるとしている。
PCPは地上32階、地下4階建てで01年に竣工した。JR京葉線の東京駅と地下で直結するなどの好立地にあり、フォーシーズンズホテル丸の内 東京をはじめ、石油大手のシェルジャパン、ラサール不動産投資顧問などが入居している。
GICは今年に入ってから、自身のオフィスを東京駅の八重洲側にあるPCPからJRの線路を挟んで反対側にある「新丸の内ビル」に移転した。
不動産取引を巡っては、都心のオフィスビルなど大型物件を中心に売却の動きが出てきている。ヒューリックなどが出資する特別目的会社(SPC)は21年に電通グループから取得した電通本社ビル(東京都港区)を米資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントに3000億円規模で売却する。
(GICのコメントを追加して記事を更新します)
--取材協力:David Ramli.
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