原油価格が12日の取引で上昇し、北海ブレント先物は終値で1バレル=100ドルを上回った。終値で100ドルの大台を超えるのは2022年8月以来。投資家は、通常時には世界の原油の約5分の1が通過するホルムズ海峡の状況を引き続き注視している。

ペルシャ湾内には大量の原油が滞っており、原油市場は過去最大級の混乱に直面している。英国海事貿易機関(UKMTO)によると、過去24時間にペルシャ湾内で商船3隻が攻撃を受けた。投資家は、中東の海上輸送正常化がエネルギー市場の均衡を回復するうえで重要だとみている。

北海ブレントはこの日、一時1バレル=101.59ドルと10%急騰。その後、イランがホルムズ海峡について一部の船舶に通過を認めたとするAFP通信の報道を受け、上げ幅をやや縮小した。イラン当局はAFP通信に対し、ホルムズ海峡に機雷を敷設していないとも主張した。

原油相場は、トランプ政権が米国内の港湾間輸送に米国製船舶の使用を義務付ける「商船法(ジョーンズ法)」の適用を一時停止する見通しだとの報道にも反応した。30日間の「ジョーンズ法」適用除外により、一般的に安価な外国籍タンカーによる輸送が可能になる。具体的には、メキシコ湾岸などから東海岸の精製業者に原油を運んだり、人口密集地に燃料を供給したりすることが考えられる。急騰するエネルギー価格の抑制を狙う措置だ。

ホルムズ海峡

事実上閉鎖されているホルムズ海峡の通過再開時期を巡っては、見通しが依然として分かれている。 イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師は、ホルムズ海峡の閉鎖を継続するべきだと主張し、米国とイスラエルが攻撃を続けるなら他の戦線を開く意思があると明らかにした。

ライト米エネルギー長官は、米海軍による護衛が始まるのは月末ごろになる可能性が高いとの見通しを示した。同長官は経済専門局CNBCに対し、「比較的近いうちに実施されるだろうが、今すぐにはできない。単に準備が整っていない」と述べた。

トランプ大統領は「米国は圧倒的に世界最大の産油国だ。だから原油価格が上がれば、われわれは多大な利益を得る」と、自身のSNSであるトゥルース・ソーシャルに投稿。イランの核兵器保有と脅威を阻止することが原油価格よりも「はるかに重要で関心が高い」とした。

国際エネルギー機関(IEA)は12日に発表した月報で、「中東の戦争は、世界の石油市場史上最大の供給混乱を引き起こしている」と記した。

イランはペルシャ湾の船舶や港湾への攻撃を強めている。エネルギー供給への脅威拡大を浮き彫りにする動きで、IEAによる価格抑制を狙った過去最大規模の備蓄放出の効果を弱めるものだ。

ゴールドマン・サックス・グループは、ホルムズ海峡を経由する原油の流れが3月まで低迷したままとなれば、原油価格が2008年のピークを上回る可能性があると警告する。ブレント原油は同年、1バレル=147.50ドルの高値を付けた。

サンフォード・C・バーンスタインの調査ディレクター、ニール・ベバリッジ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、原油価格を本当に押し下げることができるのは、ホルムズ海峡が実際に再開される場合だけだと指摘。戦略備蓄からの放出量は、ホルムズ海峡の閉鎖によって生じる日量2000万バレルの供給寸断とは比較にならないと付け加えた。

原油:Brent Oil Closes Above $100 for First Time Since August 2022

原題:Oil Climbs as Traders Weigh Outlook for Hormuz Tanker Traffic(抜粋)

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