(ブルームバーグ):トランプ米大統領は3日、ホルムズ海峡を航行する石油タンカーやその他の船舶の安全を確保するため、米国が保険と海軍による護衛を提供すると明らかにした。イランとの軍事衝突によって懸念されるエネルギー危機を回避する狙いがある。
米国際開発金融公社(DFC)がペルシャ湾岸地域におけるエネルギーやその他の商業取引の流れを確保するため、「非常に妥当な価格」で保険を提供するとトランプ氏は説明。さらに、「必要であれば、米海軍は可能な限り早期にホルムズ海峡でタンカーの護衛を開始する」とコメントした。
「いかなる状況下でも、米国は世界へのエネルギーの自由な流れを確保する」とトランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
トランプ氏は、DFCが提供する保険メカニズムの詳細は示さなかった。DFCは一般に、民間資本を開発途上国に呼び込み、貧困国への投資リスクを軽減することを目的とする開発金融機関だ。
トランプ氏の投稿を受けて原油価格は一時上げ幅を縮小し、北海ブレント原油先物は通常取引終了後に1バレル=80ドル前後で取引された。
エネルギー市場のリスクプレミアムの一部は縮小したものの、ホルムズ海峡を通る原油の流れが速やかに正常水準へ戻るかどうかを巡っては、トレーダーの間で懐疑的な見方が根強い。
米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以来、原油相場は10%強急上昇している。紛争により中東全域で混乱が広がり、世界のエネルギー供給の5分の1が通過する要衝であるホルムズ海峡では石油タンカーの通航が事実上途絶えている。
元ホワイトハウス当局者で、コンサルタント会社ラピダン・エナジー・グループのボブ・マクナリー社長は電子メールで、「今回の発表はトレーダーを安心させる効果があるかもしれないが、護衛や保険の実施には一定の時間がかかるだろう」と指摘。「米軍はまず、イランによる機雷敷設や対艦巡航ミサイルとドローンを使った船舶攻撃能力の制圧を目指すだろう」との見方を示した。
その上で、「イランが戦闘継続を決断すると想定すれば、発表された保険提供や船舶護衛といった有益な計画があったとしても、ホルムズ海峡を通る原油の流れが完全に再開するまでには数時間や数日ではなく、数週間を要すると見込んでいる」と解説した。
保険業界は紛争海域を航行する船舶をカバーするコスト算定に追われるとともに、世界有数の海上保険組合の一部はペルシャ湾に入域する船舶向けの戦争リスク保険の引き受けを停止。こうした動きが原油相場にさらなる上昇圧力となると懸念されている。
一方でトランプ政権は、米消費者が直面する物価高への対応も模索している。ガソリン小売価格は5カ月ぶりの高水準に上昇しており、11月に議会中間選挙を控えてトランプ氏に政治的リスクとなっている。
ルビオ国務長官は今週、米政府はエネルギー価格の上昇を想定していたと記者団に説明し、ベッセント財務長官とライト・エネルギー長官が影響緩和に向けたプログラムを打ち出すと述べていた。
原題:Trump Says US Will Escort, Insure Oil Tankers Amid Iran War (3)(抜粋)
(保険業界の動きなどを追加して更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.