(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインは長年、世界的なリスクを24時間、リアルタイムで示す指標という、他の市場にない役割を掲げてきた。
だが米国のイラン攻撃では、ビットコイン価格は最初こそ下げたものの、その後、不安定な値動きを経て上昇に転じた。週明け2日時点では攻撃前の水準を上回る価格で取引されており、恐怖や安全資産への逃避の持続的な動きはほとんど見られていない。
この流れは、より大きな変化を反映している。ビットコイン価格はピーク時から約50%急落した後、約6万-7万ドルの狭いレンジに収まっている。2025年10月の暗号資産の急落以降、過剰な投機ポジションの整理が進み、個人投資家の参加は細り、資金流入も弱まった。ポジションが軽くなったことで、新たなショックに対する追随の動きは限定的となっている。
今後の先行きを占う明確な手がかりは、ビットコインそのものではなく、暗号資産交換業者のプラットフォームに現れた。仮想通貨交換業者ハイパーリキッドなどでは、原油や金、銀に連動する永久先物が週末に上昇。週明けのグローバル市場再開時に伝統的なヘッジ資産にシフトする流れと歩調を合わせた。
エネルギーや貴金属の上昇という取引の方向性自体に驚きはない。ビットコイン市場に比べれば取引高はなお少ないが、その存在感の高まりは無視できない。
ここ数カ月、金や銀が急騰するなか、生粋の暗号資産投資家は商品連動型の永久先物に軸足を移している。暗号資産プラットフォームを離れることなく、モメンタムを追求したり、マクロ経済の視点を反映させたりするためだ。これら金融商品の未決済建玉は、総額ではまだ多くないが着実に増加している。
ハイドロマンサーが集計したデータによると、ハイパーリキッドでは銀連動型のある永久先物で出来高が計282億8000万ドル(約4兆4500億円)に達した。1月初めに取引が開始された、ある原油連動型も、これまでに約4億ドル相当が取引されている。

フローデスクの相対取引トレーダー、カリム・ダンダシー氏は、ハイパーリキッドが「週末に価格発見機能」としての役割を果たしたと指摘し、伝統的資産に連動する先物の未決済建玉が「過去最高」を更新したと述べた。
もちろん、こうした資金流入のすべてが冷静なマクロ戦略に基づくわけではない。リスク選好度の高いトレーダーが、変動の大きい資産に乗り換えるなど、一部は純粋な投機だ。だが、それも進化の一部と言える。暗号資産プラットフォームはトークンだけでなく、原油や金属、株価指数を投機対象とする場にますますなりつつある。
ビットコインの反応はこの変化を浮き彫りにした。有事の際、ビットコインに関心が集中する時期は過ぎた。幅広い投機ツールの一つに過ぎず、必ずしも最も取引が活発な選択肢ではない。
原題:Crypto’s 24-Hour Promise Gets a Geopolitical Reality Check (1)(抜粋)
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