米国とイスラエルが2月28日、イラン全土の標的を攻撃した。イラン側も中東の米軍基地を標的に報復攻撃を仕掛けており、混乱が広がる中、日本企業も対応を急ぐ。

海運の業界団体である日本船主協会は1日、長沢仁志会長(日本郵船会長)をトップとする海上安全等対策本部を設置したと発表した。関係省庁との連携や、会員会社への情報提供を行う。

長沢氏はあわせて書面でコメントを出し、日本は原油の9割以上を中東からの輸入に依存していることから、今回の攻撃により、船舶の航行安全が脅かされ、エネルギー資源の安定輸送に重大な支障が生じる懸念があるとの認識を示した。その上で、安定輸送に「最善の努力を尽くしていく」とした。

川崎汽船の広報担当者は、ペルシャ湾内の船舶には待機するよう指示を出したと明らかにした。複数の船舶がいるとしたが、詳細についてはコメントを控えた。ペルシャ湾方面に向かう船は元々しばらくの間ないという。

商船三井の広報担当者も同社の関係船が安全な海域で待機することになったと説明した。24時間体制で監視を強化し、状況を注視しながら情報を収集していると述べた。日本郵船の広報担当者は、同社運航船についてホルムズ海峡での航行は一時的に中断していると述べた。

 

世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡が封鎖された場合、原油輸入のほとんどを中東に依存する日本への影響は大きい。

出光興産の広報担当者は1日、日本向けの原油供給について、昨晩時点で影響は出ていないものの、「状況は刻々と変わっており、注視している」とコメントした。

コスモエネルギーホールディングスの広報担当者も2月28日の取材で、現時点では運航に影響は出ておらず、当面は原油供給に問題はないと電子メールで回答した。さらに、事態を注視しながらペルシャ湾の船舶の運航について十分な安全措置を取るよう注意喚起していると説明した。

ENEOSホールディングスの広報担当者によると、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビやドバイに同社の駐在員がいるという。安全確保を最優先とし、大使館などとも連携して、情勢を踏まえて退避や帰国などを検討、実施するとしている。

日本航空(JAL)は、悪化する中東情勢の現状を踏まえ、3日まで羽田空港とカタールの首都のドーハを結ぶ6便の運航を見合わせると発表した。約1000人に影響があるという。

(第2、3段落に日本船主協会の発表を追加しました)

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