韓国のサムスン電子は25日、新製品となるスマートフォン「Galaxy S26」シリーズを発表した。大幅なデザイン変更よりも、人工知能(AI)機能や実生活でのプライバシー保護を重視した内容となっている。

サンフランシスコで開いたイベントで発表した。新機種は、大型のGalaxy S26 Ultra(1300ドル)、Galaxy S26 Plus(1100ドル)、標準サイズのGalaxy S26(900ドル)。価格設定はアップルのiPhone 17シリーズと正面から競合する水準だ。Ultraは前モデルと同価格だが、PlusとS26は昨年モデルよりそれぞれ100ドル値上げされた。背景にはメモリーチップ不足が影響している可能性がある。

このほか、ワイヤレスイヤホンのGalaxy Buds 4 Pro(249ドル)とGalaxy Buds 4(179ドル)も発表した。

新しいGalaxy製品はすべて即日予約を受け付け、日本では3月12日に発売する。サムスンの日本向けオンラインショップによると、Galaxy S26 Ultraの価格は21万8900円となる。

今回の最新スマホでは、デザインやカメラの改良に代わって、AIソフトウエアの追加が重視されている。ハードウエア面で大きな変化があるまで買い替えを待つ消費者が多いことを踏まえると、これはリスクのある戦略でもある。実際、アップルはデザイン刷新や新色を打ち出したiPhone 17シリーズを発売したタイミングで、2025年10-12月(第1四半期)に過去最高の売上高を記録している。

それでもサムスンは、デザインの大きな変更がなくても買い替え需要を喚起できるとの見方を示している。

Galaxy S26 Ultra

Galaxy S26 Ultraのカメラは取り込める光量が増え、暗い場所でより良い写真が撮れることが見込まれる

最上位のGalaxy S26 Ultraは、例外的にハードウェアにも変更が加えられた。

搭載されたのは、「プライバシーディスプレイ」と呼ばれる新機能だ。このモードを有効にすると、6.9インチの画面は横や上下からの視認性が大幅に低下する。

これは、プライバシー保護フィルムに近い効果を生むものだ。Ultraでは正面以外からの視認性を高める通常のピクセルをオフにすることで、本体に機能を組み込んだ。

プライバシーディスプレイは常時オンにもできるほか、銀行アプリやGmail、Slackなど機密データを扱う可能性のある特定アプリ起動時に自動で作動させる設定も可能だ。通知のみを保護するモードもあり、パスワードやPINの入力を求められた際に自動的に有効化することもできる。

Galaxy S26 Ultraに搭載された新機能プライバシーディスプレイは、周囲の人が画面をのぞき見しにくくする

保護フィルムが不要になることで、購入者は反射防止ディスプレーの性能を最大限に活用できる。今週の体験デモでは、iPhone 17シリーズと比べて映り込みの抑制性能が優れていた。

アップルがProモデルで行った刷新と同様、サムスンも側面フレームの素材をチタンからアルミニウムに戻した。これにより重量を削減し、同社によればS26 Ultraは過去最軽量かつ最薄のモデルとなった。

カメラの解像度は従来と同じで、メインセンサーが2億画素、ズームレンズが5000万画素。ただし絞りを広げたことで取り込める光量が増え、暗い場所での撮影性能向上が見込まれる。また、「ナイトグラフィー」動画モードも最適化され、各レンズのノイズパターンを認識して暗所撮影時のノイズを自動除去する。

充電性能も3機種の中で最も高く、65ワットの有線充電に対応。バッテリー残量0%から30分で75%まで充電できる。25ワットのワイヤレス充電もサポートする。内部のベイパーチャンバーも改良され、発熱をより迅速かつ効率的に放散する。

Ultraの特徴であるSペンは引き続き内蔵されるが、新機能の追加はない。

Galaxy S26 Plus / S26

Galaxy S26 Plus

6.7インチのGalaxy S26 Plusと6.2インチのS26は、Ultraと比べるとより控えめな仕様だ。

Ultraと同様に、いずれもクアルコムのSnapdragon 8 Elite Gen 5チップを搭載する。カメラのハードウエアに大きな変更はないが、ソフトウエア面では遊び心のある新機能が追加された。

「スーパー手振れ補正」の動画モードには、「水平ロック機能」を搭載。手で端末を物理的に回転させても録画中に水平を維持できる、ジンバルのような機能だ。ソーシャルメディア向け動画で創造的なアングルを求める利用者からの人気を集めそうだ。

グーグルの最近のPixelシリーズと同様に、サムスンは言葉を伝えるだけで写真編集ができる機能をS26シリーズに導入する。写真を撮影し、変更したい内容をいくつかの言葉で説明すると、生成AIツールがそれを反映する。着信スクリーニングや通話中の詐欺検知機能も新たに搭載された。

AI機能の搭載

Samsung S26 Ultra上で動作するGeminiのAIアシスタント

サムスンは今週、Galaxy S26シリーズにPerplexity(パープレキシティ)のAI技術を標準搭載すると明らかにした。「Hey Plex」と話しかけるだけで、同社のエージェントに素早くアクセスできる。

パープレキシティの広報担当者によると、提携はそれにとどまらず、サムスン独自の音声アシスタントBixbyが提供するリアルタイムのWeb回答機能の改善にもパープレキシティの技術が活用される。

サムスンによれば、Bixbyは自然な会話を通じて設定の調整や、あまり知られていない機能の発見を支援する能力も向上した。

パープレキシティは今回の提携を初の事例と位置付けている。

サムスンは複数のAIエージェントを活用する方針を採用しており、AIによるシステムへの深いアクセスに加え、ノートやカレンダー、ギャラリー、クロック、リマインダーといったアプリとの連携を認める内容となっている。今後数カ月で、パープレキシティはモバイル向けのブラウザアプリ「Samsung Internet」にも深く統合される予定だ。

一方で、Google GeminiもS26シリーズ全体で引き続き重要な役割を担う。

すでにGeminiは既定のアシスタントとなっており、新機種では音声コマンドでアプリの自動操作を実行できる。例えば「SFOまでUberを手配して」と話しかけると、Geminiがそのリクエストの実行手順を進める。利用者は、いつでも介入やキャンセルが可能だ。実際に配車を確定する前には、利用者による最終確認が必要となる。

まずは連携するパートナーは米ウーバー・テクノロジーズのみだが、食品配達のインスタカートやドアダッシュも参加することに期待を示した。

サムスンの発表に先立つインタビューで、グーグルでアンドロイドのエコシステムを担当するサミール・サマット氏は、Geminiの自動操作機能が年内に予定されるAndroid 17の重要な焦点になると述べた。当面は米国と韓国で早期プレビューとして提供するため、サムスンと協力しているという。

画面上で調べたいものを指で囲むことで、ショッピングリンクなどの情報を表示できるGoogleの「かこって検索(Circle to Search)」も、複数選択に対応するよう更新される。この機能はまずS26シリーズで提供され、近くPixelシリーズにも展開される。

サムスンはまた、1日の中で関連するリマインダーなどを表示するAI機能「Now Brief」の実用性向上も図った。この機能は登場以来、評価が振るわなかったが、アプリの通知データや利用習慣を取り込むことで、ロック画面上で1日の概要をより的確に示せるようになった。

Galaxy Buds 4 Pro

Galaxy Buds 4 Pro

ワイヤレスイヤホン上位モデルのGalaxy Buds 4 ProはアップルのAirPods Pro 3に対抗する製品で、価格を抑えたGalaxy Buds 4はAirPods 4や同価格帯の他社製イヤホンと競合する。いずれもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する。

サムスンによると、Buds 4 Proはより深みのある低音再生を実現し、アップルがまだ実現していない高解像度ワイヤレスストリーミングにも引き続き対応する。一方で、通話の応答や拒否を行う音声検知や頭のジェスチャー操作など、他の面ではAirPodsを追う立場にある。

Buds 4 Proの連続再生時間は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)をオンにした場合で最大6時間、オフの場合で7時間。充電ケースを併用すると合計で最大26時間、ANCオフ時には30時間となる。Buds 4はバッテリー容量が小さいため、再生時間はProよりやや短くなる。

原題:Samsung Debuts S26 Ultra Phone with Privacy Screen and More AI(抜粋)

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