国内の先端産業の命運を握る「国産レアアース」の開発。南鳥島の海底から「レアアース泥」を回収するプロジェクトに密着したJNNのカメラが“成功”の瞬間をとらえました。

およそ1か月ぶりに静岡市清水港に戻ってきた探査船「ちきゅう」。

市民らおよそ200人が出迎え、さらに地元の伝統芸能の芸妓まで…

「おかえりなさい。おつかれさまでした」

スマホや自動車のモーターなど最先端の工業品には欠かせないレアアース。

しかし、日本は年間に使うおよそ2万トンのうち、7割以上を中国に頼っています。

そしてその中国は、レアアースの輸出規制を度々“外交カード”としてちらつかせてきました。

なんとしても、中国に頼らずにレアアース確保を。そんな使命を帯びて先月、探査船は本州からおよそ1900キロ離れた南鳥島へ。

一部研究によれば、レアアースの埋蔵量はなんと1600万トン。日本の年間使用量800年分に相当する量です。

レアアースを含む泥を深海6000メートルから引き上げる作業ですが、現地では風速20メートルを超える突風が吹き荒れ、作業は思うように進まなかったといいます。

内閣府プログラムディレクター 石井正一氏
「風がすごく強かったんですよ。クレーンを動かすことができない。頻繁に作業の中断をした」

こう話すのは東京で報告を受けていたプロジェクトリーダー。予定日より1週間経っても海底まで機材を下ろせず、祈りながら吉報を待ち続けました。

そして、出航から22日が経った2月2日。探査船からある映像が届きました。

内閣府プログラムディレクター 石井正一氏
「おお、上がってきてるじゃないですか。すごい。いい色ですね」

前日未明、ついに深海6000メートルの海底からレアアース泥の引き上げに成功したのです。世界初の快挙達成の瞬間でした。

内閣府プログラムディレクター 石井正一氏
「(みんな)嬉しそうな顔しながら採ってますね」

レアアース泥を瓶に詰める作業員たち。

将来、日本産業を支える可能性を秘める事業を成功させた彼らの表情は、とても誇らしげで嬉しそうに見えたと石井さんはいいます。

2022年から経済安全保障の担当大臣としてプロジェクトに携わっていた高市総理も興奮を隠せません。

高市総理
「ようやく成功した。これで日本はレアアースに困らない国になっていく」

ただ、海底から引き上げるコストを考えると、中国のレアアースと比べて割高になる可能性も指摘されていて、産業として採算性があるのかは未知数。

政府は、来年にも南鳥島沖で大規模な試験採鉱を行ったあと、再来年3月までには国産レアアースにかかるコストを試算する考えです。