(ブルームバーグ):資産運用会社ジュピター・アセット・マネジメントのマーク・ナッシュ氏が、長期的かつ戦略的に日本国債の上昇を見込むのは今回が初めてだ。
ナッシュ氏は先週、10年物日本国債に買いを入れた。それまで長らくショートにしていたが、高市早苗首相率いる自民党が衆院選で圧勝したことで政治的な不透明感が後退し、政策運営の自由度が高まったと判断したと話す。
「状況は明るくみえる。日本国債へのエクスポージャーを避ける理由はない」と、同氏はインタビューで語った。「日本国債は政策を巡る懸念から売り込まれてきたが、その不透明感が解消に向かう中、投資機会が生まれている」と述べた。ナッシュ氏はジュピターで約13億ドル(約1990億円)規模の資産運用に携わっている。
日本の金利が上昇に転じたことや数カ月にわたる政治的な不透明感を背景に、日本国債利回りは数十年ぶりの高水準に押し上げられた。予測困難な米国の政策を背景に米資産を敬遠する動きが広がる中、リターンを期待して日本国債に目を向ける海外投資家が増えている。
衆院選後に日本国債と円は大幅に上昇し、30年債利回りは1カ月足らずで約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。
ナッシュ氏は「市場は極度に警戒感を持ち、日本銀行と政府による政策の方向性を見極められずにいた」と指摘。「明確な対応を示せば超長期ゾーンは上昇(利回り低下)することを、日本は示した」と述べた。
同氏がこれまで続けてきたショート戦略は奏功し、ジュピターの「ストラテジック・アブソルート・リターン債券ファンド」は過去1年間で7.6%のリターンを確保。類似の運用戦略を持つファンド勢の中で上位10%に入った。
政治の安定を背景に、ナッシュ氏は円も対ドル、対ポンドで買っている。特に、同じく安全資産とされるスイス・フランに対する円安局面は終わりが近いとみている。
健全な財政と貿易黒字を誇るスイスは長年、慢性的な財政赤字とエネルギーの輸入依存、「不安定な」政治を抱える日本よりも選好されてきた。
ナッシュ氏は、高市首相が選挙で強力な負託を受けたことを考えれば、円がスイス・フランや他通貨に対して8-9%上昇するのも「全く非現実的ではない」と発言。
「こうした展開は長い間見られなかった」と述べた。
原題:Jupiter’s Nash Turns Japan Bond Convert After Takaichi Win(抜粋)
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