米国防総省は中国軍を支援している企業に、電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディングとインターネット企業の百度、電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)などを追加すると文書で発表した。だが、その後文書は閲覧できなくなり、「公開後にこの文書の撤回を求める政府機関の書簡を受け取った」と同省は説明した。

国防総省はブルームバーグニュースに対し、「現時点で何も発表することはない」と回答した。

中国軍に協力している企業として位置づける国防総省の「1260Hリスト」は2021年に初めて発表され、これまでに130社余りが加えられている。該当企業に直接の法的措置を講じるものではないが、投資家に対する米政府の警告に相当する。

アリババをはじめ存在感の大きい有名企業がリストに入れば、4月に予定されているトランプ大統領の中国訪問に影響が及ぶ恐れがある。トランプ氏は北京で習近平国家主席と会談し、エヌビディアの人工知能(AI)半導体「H200」の中国向け輸出計画などを話し合うと見込まれている。アリババは「H200」を発注する可能性のある企業の一つだ。

3社のほか、リモートセンシング技術を手がける速騰聚創科技(ロボセンス・テクノロジー)、無線ルーター製造のティーピーリンク・テクノロジーズも発表が撤回されたリストには加えられていた。

このリストの発表後、アリババの米国預託証券(ADR)は米国時間13日早朝の時間外取引で一時5%下落。リストに追加されれば、AI分野で世界的な競争力強化を図っているアリババにとって重大な問題となる可能性がある。だが、発表が撤回されたことで、同午前11時には1.1%安近辺まで下げ幅を縮小した。

当初の発表後、アリババの広報担当者は「当社をリストに掲載する正当な根拠はない」と主張。「アリババは中国の軍事企業ではなく、軍民融合戦略の一部を担っていることもない。当社について不正確な姿を伝えようとする試みには、利用可能なあらゆる法的措置を講じる」と反論していた。

百度のADRも一時5%安と売られたが、1.1%安まで回復。百度の広報担当者は「当社がこのリストに含められたことを、断固として拒否する」と抗議し、そこに「信頼できる根拠は全くなく、百度が軍事企業であるかのごとき示唆は全く根も葉もない。その証拠も提示されていない。当社は上場企業であり、当社の製品およびサービスは民生用に設計されている。当社をリストから削除させるために、利用可能なあらゆる手段をためらうことなく講じる」と発表文で主張した。

原題:US Briefly Lists Alibaba, Baidu as Firms Aiding China’s Military(抜粋)

US Pulls Document That Listed Firms Linked to China Military(抜粋)

--取材協力:Edwin Chan、Debby Wu.

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