1月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比で緩やかな伸びにとどまった。市場には大幅に加速するとの見方もあったが、それを打ち消す格好となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)による追加利下げ予想が強まった。

同統計に関する市場関係者のコメントは以下の通り。

◎プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏:

今週発表された労働市場のデータが非常に強い内容だったことや、関税の価格転嫁がさらに進むリスクがある中でも、物価上昇圧力が抑制された状態にとどまったことで、市場に安堵(あんど)感が広がっている。コアインフレ率はほぼ4年ぶりの低水準となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の2%目標達成がようやく射程圏内に入ってきた。市場にとっては安心材料だ。

ただし、FRBにとっては短期的な利下げを正当化するにはなお不十分だ。労働市場の強さが続いており、政策当局者に当面政策を維持する論拠を与えている。関税の影響が薄れるのに伴い、年後半にさらなるディスインフレが進めば、金融緩和への道が再び開かれるだろう。

◎米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のティファニー・ワイルディング氏:

コンセンサス予想と一致するとはいえ、内訳を見るとかなり心強い内容だった。これで米連邦準備制度理事会(FRB)はより安心して利下げに踏み切れるはずだ。今年さらに数回の利下げが実施されるとの見方は妥当だと考えている。

◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのリンゼイ・ロズナー氏:

1月の強い指標への懸念が過ぎ去った今、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策正常化に向けた利下げの道筋が一段と明確になった。しかし、その道筋が短いのかあるいは長いのかは、雇用が引き続き改善の兆しを示すかどうかに左右される。今年は2回の利下げを引き続き見込んでおり、次回は6月を予想している。

◎カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏:

CPIはおおむね市場の予想通りだった。住居費や中古車価格でディスインフレが続いているものの、その他の財やサービスのコア価格では物価圧力が依然として根強い。労働市場が底堅さを維持していることから、FRBは政策の据え置きを続けるだろう。

◎トレードステーションのデビッド・ラッセル氏:

人工知能(AI)を巡る混乱で動揺していた株式投資家にとって安心材料となった。強かった雇用統計を相殺する形となり、FRBがハト派寄りの姿勢を取る根拠が若干強まった。ただインフレ率は依然としてFRB目標を大きく上回っており、短期的に情勢を大きく動かす内容ではない。金融政策に対する市場の期待が近く変化する状況にはない。

◎ボルビン・ウェルス・マネジメント・グループのジーナ・ボルビン氏:

インフレは次第に影を潜めつつある。政策よりも企業や消費者の行動がより大きな役割を果たしている。消費者は値上げに抵抗し、企業はコストを吸収しており、価格決定力は弱まっている。FRBに政策運営の柔軟性が生まれるとの見方から、市場は反応した。投資家の関心が利下げからファンダメンタルズへと戻っていることも背景にある。

◎アネックス・ウェルス・マネジメントのブライアン・ジェイコブセン氏:

インフレは正しい方向に向かっている。依然として高水準にあるものの、それは当面の現象であり、恒久的なものではない。

雇用情勢が改善に向かえば、米連邦準備理事会(FRB)は景気下支えのための予防的な利下げを追加で実施する必要はなくなる。利下げはやらざるを得ないからではなく、政策判断として選択できる環境が整う。ただし、その場合でも急ぐ必要はない。

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