(ブルームバーグ):外国為替市場では円の対ドル相場が週間ベースで2024年11月以来の大幅高を記録する勢いだ。衆院選で高市早苗首相率いる自民党が勝利し、財政政策を巡る懸念が和らいだことが背景にある。
円は12日まで4日続伸。13日はやや下落しているが、週間では約2.5%の上昇となっている。リスク資産の価格が下落する中、安全資産への需要も円の支援材料だ。このペースで今週の取引を終えると、24年11月最終週の3.2%高以来の週間上昇率となる。
投資家は高市氏の圧勝により政治的な不透明感が解消され、極端な財政悪化シナリオへの警戒感が後退したと受け止めている。これが円買いにつながり、1月に歴史的高水準に上昇していた日本国債利回りも低下した。高市氏は9日の記者会見で、食料品に対する2年間の消費税減税を巡る市場の懸念に言及し、その財源として赤字国債を発行しない方針を改めて示した。
三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は、衆院選での自民党勝利を受けた財政懸念の後退や日本銀行の早期利上げ観測で円高基調が続いていると言う。
三村淳財務官は12日、為替を巡る対応について「一切ガードは下げていない」と述べ、足元でドル・円相場が円高に振れていても臨戦態勢を続ける考えを示した。政府の為替介入への警戒感も、円の下落を抑える一因となっている。
円は1月23日、ニューヨーク連銀によるレートチェックの報道を受けて急伸した。ただ、ベッセント米財務長官はその後、米国が円を支えるための為替介入をしているとの見方について「絶対にしていない」と否定。片山さつき財務相は、ベッセント氏と緊密に連絡を取り合っており、ドル・円相場の安定維持について責任を共有しているとの認識を示している。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀が4月までに利上げする確率は約78%織り込まれている。投資家は13日の田村直樹審議委員の講演や米消費者物価指数(CPI)を注視し、日米金利差の見通しや円相場の方向性を見極めようとしている。
--取材協力:山中英典、Michael Ball.
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