性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米実業家ジェフリー・エプスタイン氏は、仏高級ブランドのエルメス・インターナショナルに触手を伸ばし、その幹部である欧州有数の富豪の相続人に接触しようとしていた。

12日行われたエルメスの決算報告でアクセル・デュマ最高経営責任者(CEO)は、エプスタイン氏と一度だけ会ったことがあると発言。2013年3月に同氏が映画監督のウッディ・アレン氏ら数人を連れてパリ郊外にあるエルメスの工房を訪れてきた時で、訪問は予定外だったと語った。

「エプスタイン氏は、パーティーに勝手にやって来た」とデュマ氏は振り返った。

米司法省がウェブサイトに公開した大量の文書の中には、エルメスの工房でデュマ氏とエプスタイン氏、アレン氏の3人が写っている写真がある。デュマ氏の名前はいくつかの文書にも登場する。

エプスタイン氏からは面会の要請が数回あったが、デュマ氏は全て断ったという。2014年1月24日付の電子メールのやり取りでは、デュマ氏の秘書がエプスタイン氏およびアリアン・ド・ロスチャイルド氏とパリのエルメス本社でデュマ氏が会うことを提案した。デュマ氏は、エプスタイン氏が関与していると気付いた時点でその会合をキャンセルしたと語った。

「彼は私と会合を持ちたがっていた。当初は承認されたが、私はスケジュール表でそれを見て、断ったんだ」とデュマ氏は説明した。

12年にはエルメスがエプスタイン氏専用機の内装装飾を依頼されたが、やはり拒否したという。エルメスは当時、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる敵対的買収提案をかわすための攻防の最中にあった。

「当時、私は若い経営者で、LVMH問題のただ中にいた」とデュマ氏は述べ、自身がエプスタイン氏に狙われていたんだろうとの見方を示した。

だが、「エプスタイン氏には既に良からぬ評判があった」と指摘した。

エプスタイン氏は08年にフロリダ州で2件の有罪を認め、服役した後も、富裕層や権力者との広範な人脈を拡大し続けた。だが、19年に未成年の性的人身売買で起訴され、勾留中に死亡。当局は自殺と結論付けている。

デュマ氏は、一族のメンバーであるニコラ・ピュエシュ氏の資産管理人を務めていた故エリック・フレモン氏の名前を挙げ、「彼の行動は既に疑わしかった。ああいう怪しげな金融業者を、もう1人欲しいとは思わなかった」と述べた。

原題:Hermès Chief Dumas Says Epstein Kept Trying to Target Him (1)(抜粋)

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